山本一慶,稲垣成弥,宇野結也,岸本勇太etc.出演 舞台『夏の夜の夢』開幕. 劇場には妖精パワーが充満!

山本一慶,稲垣成弥,宇野結也,岸本勇太ら、全てのキャストが男性!東京芸術劇場シアターウエストにて舞台『夏の夜の夢』が開幕した。2021年度の本公演では俳優の山本一慶が演出家としてデビューし話題に。6年ぶりに3度目のハーミア役を演じる山本、初の女性役に挑む宇野結也、シェイクスピア作品初挑戦の稲垣成弥と岸本勇太をはじめ、お笑い芸人のピクニックとオラキオらが出演。
物語については説明は不要、世界中で数えきれないほど上演。原題は「A Midsummer Night’s Dream」、ヨーロッパでは夏至の日やヴァルプルギスの夜に、妖精の力が強まり、祝祭が催されるという言い伝えがあり、劇中でも小妖精のパックや妖精王オーベロンなどが登場。特にトリックスター的な働きをするパックはいたずら好きな小妖精のイメージ。

今回の演出は今井豊茂、『NINAGAWA十二夜』などの脚本を手がけ、また、5月2日から始まる歌舞伎座新開場十周年「團菊祭五月大歌舞伎」の「『音菊眞秀若武者』岩見重太郎狒々退治 初代尾上眞秀初舞台」の脚本も手がけている。

この作品の衣装、よく見ると着物などに使われている生地、和風テイストで洒落たデザイン、ここは注目ポイント。演出も和のテイスト、所々のセリフ回しが歌舞伎っぽく、そこがアクセントに。音楽も和楽器も取り入れているところもあり、シェイクスピアを”made in Japan”として再構築している感もあり、新しさを感じる。

キャストは全員、男性。16世紀のイギリスでは女性が舞台上で演じることは世間体として禁じられていた。そのため、シェイクスピアのような劇作家の劇では、女性の役は、若い男性、あるいは男の子によって演じられていた。ちょうど、時を同じくして日本では出雲阿国によって歌舞伎が誕生した。しかし、1629年に徳川政権が当時、歌舞伎と売春が癒着していたがために女歌舞伎を禁じ、代わりに「女形」(おやま又はおんながた)が出現、人気となった。17〜18世紀のバロック・オペラも女性の役はカストラーティと呼ばれる男性によって演じられていたが、こちらも人気が出た。

舞台セットはシンプル、緑と茶のグラデーションがアートな雰囲気で、どこからでもキャラクターが”出現”する。可愛いハーミアとヘレナ、恋に溺れる、いかにも若者らしい二人、ライサンダー、ディミートリアス、いたずら大好き、おっちょこちょいなパック、堂々としたオーベロンと妖艶なタイテーニア、”夏夢”おなじみのキャラクターが物語を紡ぐ。ボトム(ピクニック)とクインス(オラキオ)の賑やかなコンビ、オラキオが宙返り!いきなりするので、よく観て欲しい(笑)。

ストーリーの山場も、どうやって結末に向かっていくのか、誰もが知ってる戯曲、ネタバレも何もないのにドキドキハラハラ観てしまう、数えきれないほどに上演されているのも頷ける。最後はもちろん、ハッピーエンド。まだ、4月だが、舞台は夏至、劇場いっぱいに妖精の力が充満、公演は23日まで。

公開稽古の前に簡単な会見があった。登壇したのは山本一慶、稲垣成弥、宇野結也、岸本勇太、石田隼、鯨井康介、オラキオ。フォトセッションの後に会見。まずは挨拶。
山本一慶「ちょっとホッとしています。素敵なメンバーで…お楽しみに」
稲垣成弥「初めてのシェイクスピア、気合い入ってます」
宇野結也「当時、ペストが流行してて、それが終わった頃の戯曲です。笑顔になってもらおうという作品です」
岸本勇太「初めてのシェイクスピアです。初めて見る方も楽しめます」
鯨井康介「とても素敵で優しい皆さん、稽古はあっという間でした」
石田隼「お客様もいっっしょに(森に)迷い込んで!」
オラキオ「ピクニックさんと芸人二人。笑って感動していただいて!」

また、それぞれの見所は山本一慶は「全キャストが男性、容姿を楽しんでいただけるところも」、稲垣成弥は「3グループありまして、全く違うお芝居をしています。ハーミアがまじ可愛い(笑)、ポイント、ポイントを楽しんで」、岸本勇太は「やはり、魔法にかかってから後の!(宇野結也の方をみて)身長が高い、高くて可愛い(笑)」、鯨井康介は「瞬間、瞬間に生まれたものを楽しみたい、横の繋がりみたいなところを楽しんで。見所は、全部です。だって、こんな面白い格好をしてるんで…可笑しな、素敵な格好(笑)」、宇野結也は「オーベロン&タイテーニア夫妻の会話、オラキオさんたちの職人チームの活気、空気感が好きですね」、石田隼は「パックは見守っている、(実生活でも)カップルの間に入って仲裁することが多いので、僕と照らし合わせてのパックを感じていただければ(笑)」、オラキオは「劇中劇が結構多いです。ピクニックさんといることで皆さんに楽しんでいただけるように」
最後に公演PR。山本一慶は「ハーミア、やり続けたので、これで最後です。一見、ドタバタですが、シェイクスピアらしい作品。(パンデミックの後の)平和になるのかな?という時期の作品です。観終わった後に希望を与えてくれる作品、僕たちを支えてくれる作品、観終わった後に温かい気持ちになって」と締めて会見は終了した。

公演概要
タイトル:舞台『夏の夜の夢』
原作:ウィリアム・シェイクスピア
訳 :小田島雄志
演出:今井豊茂
音楽:新内多賀太夫
日程:2023年4月19日(水)~23日(日)
劇場:東京芸術劇場シアターウ工スト

<キャスト>
ハーミア:山本一慶
ライサンダー:稲垣成弥
ヘレナ:宇野結也
ディミートリアス:岸本勇太
パック:石田隼
オーベロン:髙木俊
タイテーニア:鯨井康介
シーシュース:深澤大河
ヒポリタ:弦間哲心
フルート:来嶋レイ
スターヴリング:橋本巧望
スナッグ:光平崇弘
イージーアス:小林功
ボトム:ピクニック
クインス:オラキオ
企画・製作:アーティストジャパン
お問い合わせ:アーティストジャパン 03-6820-3500 https://artistjapan.co.jp/
公式サイト https://artistjapan.co.jp/a_midsummer_nights_dream_2023/
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