【連載コラム】MLB全30球場を制覇 第26話 MLB唯一のカナダ球団で、菊池雄星投手に会おう!

澄み渡る青空。美しい芝。白球が奏でる音に、歓声が重なり合う。最高峰のプレーに心躍り、熱く盛り上がる場所。メジャーリーグ武者修行の旅でアメリカ中を飛び回り、全30球場を制覇したスポーツアナウンサー福田太郎が、あなたを「夢のボールパーク」にお連れします。MLBスタジアムの世界へ、ようこそ。

ロジャース・センターへ

まずはトロント国際空港へ。最大手のエア・カナダなら、全米どこからでもひとっ飛びです。空港からは車で20分。特急列車UPだとユニオン駅まで25分です。

牧歌的な景色から近代的なダウンタウンの街並みが見えてきたら、目的地はもうすぐそこ。世界で3番目に高い塔「CNタワー」が目印です。Rogers Centre! Nice to meet you!!!

[スタジアムとタワーが並ぶ圧巻の景色!](

カナダですので、国境を跨ぐことになります。事前登録が必要なこともありますので、チェックしてから出発しましょう。レンタカーやタクシーはNGなケースが多いので、飛行機がおすすめ。私はアメリカから歩いて橋を渡ろうとして、引き返す羽目に…。たまたま特別なライセンスを持っているタクシーと出会えて命拾いしました。

MLB唯一のカナダ球団の誇り

1977年の球団拡張でシアトル・マリナーズとともに誕生したトロント・ブルージェイズ。2005年にモントリオール・エクスポズ(現ナショナルズ)がワシントンに移ったため、メジャーリーグ唯一のカナダ球団になりました。

チーム名の由来になった「青カケス」は、本拠地のトロント市があるオンタリオ州の鳥。可愛らしい姿はチームロゴにも採用され、マスコットキャラクターの「エース」は子供達にも大人気です。

試合前のナショナル・アンセムでは「アメリカ国歌」に加えて「オー・カナダ」も演奏されます。センターバックスクリーンには、アメリカとカナダの国旗、これまでのポストシーズンの活躍を讃えた旗が、風になびきます。カナダの東端「バンクーバー」から飛行機で5時間かけて来たというファンも「カナダ全体で一致団結して応援できる!」と、ワンチームで勝利を目指します。

[試合中にタオルの投げ入れとダンスのパフォーマンス!](

Ballparkのすごいところ

1989年、世界初の開閉式ドーム球場として「スカイドーム」の名でオープン。その後、大規模な改修が施された2006年に「ロジャース・センター」と名を改めました。

最大の特徴は、ドーム型の球場ながら屋根が開くこと。まず、両サイドがスライドして開き切ると、ぐるりと回転。外野側の屋根の中にすっぽり収まり、綺麗な青空が広がります。

[5階席まであるスタンドは青で統一。緑の芝がよく映えます!](

Ballparkの楽しみ方

MLBでは珍しいドーム球場ですが、コンコースを歩けば、フィールド側の壁がなく360度どこからでもグラウンドが見えるので、試合の経過を追いながら場内を楽しめます。

カナダの伝統料理「クラシック・プーチン」は、ポテトフライの上に、グレービーソースがかかっている一品。フレッシュなチーズカードと共に頂きます。

[とっても濃厚でビールとの相性も抜群!](

菊池雄星投手に会おう

今シーズンの開幕ローテーション入りが決定! オープン戦6試合に登板し、ア・リーグトップの防御率1.00をマークしました。開場と同時にスタジアムに入れば、練習に臨みながら、チームメイトと楽しそうに談笑する菊池投手に会えること間違いなしです。

ブルージェイズファンは「大谷翔平選手じゃなくて、菊池雄星投手を応援しようぜ!」と笑いながら誘ってきました。同じ花巻東高校出身の二人ですので、どちらも応援しましょう!

[今シーズンは「勝負の年!」](

せっかくなので、カナダ観光もおすすめ。アメリカとの国境に面するナイアガラの滝は「カナダ側から見た方が綺麗」と言われる通り、雄大な景色を望むことができます。滝が水蒸気になるほど、ゴーッと音を立てて流れ落ちる様子は圧巻。まるで滝に飲み込まれて行くような距離まで船が近づいて… 無事戻ってこられる、スリル満点のツアーが大人気だそうです。

[自然の力強さを感じます。](

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福田太郎(ふくだ・たろう)/ 1991年生まれ。HTB北海道テレビ放送アナウンサー。プロ野球の実況中継や、朝の情報番組MCを担当した後、2022年2月から11月まで休職。MLB全30球団・ボールパークを訪ね、世界最高峰のスポーツエンターテイメントを学び、12月に復職。写真:福田太郎

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