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2023年4月26日に公開された動画のテーマは……自民4勝1敗の原動力!参院大分補選・千葉5区補選振り返り
ゲストに選挙プランナーの松田馨氏をお招きし、下馬評では自民党劣勢と思われていた2つの衆参補欠選挙について語っていただきました。
自民党の王道勝ちパターンとは?
【このトピックのポイント】
・参院大分で立憲は大票田で票を伸ばしきれなかったのが敗因か
・千葉5区は市川市で票をとる自民党の作戦が成功
・補選の結果をどう生かすかが次の衆院選の勝敗を分ける
参議院大分補欠選挙の結果
松田氏「デッドヒートがすごかったですよね。票が開く度にシーソーゲームでね」
立憲民主党は元社民党党首の吉田ただとも氏を擁立。自民党の白坂あき氏は知名度の低さなどから不利と言われていましたが、341票の僅差で当選を果たしました。
吉田氏の敗因について、松田氏は戦い方に問題があったと指摘します。
開票区別の得票数を見ると、大票田である大分市では吉田氏が白坂氏を1万票以上リードしています。
MC千葉佳織「大分市が開いた瞬間に吉田さんの票がガッと増えて。このまま逃げ切るかという話もしていましたね」
一方で他の多くの自治体では白坂氏がより多くの票を集めています。その小さな勝ちが積み重なって、白坂氏は最終的に大分市での負けをひっくり返しました。
松田氏「これ自民党の1つの勝ちパターンなんですよ」
松田氏によると自民党は無党派層の多い都市部で弱く、国政選挙や首長選挙において県庁所在地では勝てないケースが多いとのこと。大分もこのパターンに当てはまります。
ここで投票率を見てみると、選挙区全体では42.48%なのに対して大分市は33.24%と非常に低くなっています。吉田氏が勝つには有利な大分市で投票率を上げ、白坂氏と票差を広げることが肝要で「普通に分析したら分かっていたはず」と松田氏。
活動の力の入れ方、有名弁士の応援の入れ方次第で勝敗は逆転していた可能性は十分にあったことから「立憲民主党からすると取れる選挙を落としたなという印象」と評価しました。
短い選挙期間の中で、選挙カーや応援弁士など限られたリソースをどう配分するかが大型選挙では重要と松田氏はコメント。その点で参院大分は自民党の事務方の層の厚さがうかがえる選挙となりました。
松田氏「立憲は知恵と工夫で組織票を上回っていかなきゃいけないなかで、もう一歩それが足りなかったのかなという感じがします」
衆議院千葉5区補欠選挙の結果
「政治とカネ」の問題による自民党議員の辞職により実施された衆院千葉5区の補欠選挙。野党各党が党勢拡大を狙って候補者を擁立したため野党分裂の混戦になりました。
事前の情勢調査では英利アルフィヤ氏と矢崎けんたろう氏の激戦が報じられたものの、最終的に英利氏が約5000の票差をつけて勝利しました。
千葉5区も大分と同様に自民の「勝てるところで大きく勝つ王道の勝ちパターン」だったと松田氏は分析。千葉5区は市川市の一部と浦安市で構成され、人口比はおよそ2対1となっています。
浦安市は矢崎氏に有利だったということもあり、英利氏は市川市に選挙事務所を設置し市川市で票をとる戦略に出ました。これが功を奏し、英利氏は大票田の市川市で大きくリード。当選につながりました。
一方で矢崎氏は市川市で岡野純子氏・岸野ともやす氏と票が割れ、それが敗因の1つになっています。自民公明の連立がうまく機能する一方で、野党がまとまれない状況に対し松田氏は「苦しい時期」とコメントしました。
また、松田氏は次の衆院選についても言及。
今回の負けを受けて衆院選での野党共闘の機運が高まれば自民党に勝つ可能性は十分にあります。一方で野党が千葉5区と同じように分裂してしまえば自公連立の与党候補が安定して勝ち続けることにもつながります。
「この結果をそれぞれがどう生かすかということになってくる」と松田氏は締めくくりました。
動画本編はこちら!
参院大分補選、松田氏ならどう戦う?
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