デンカに立ち入り検査 相次いだ火災受け 糸魚川市消防本部

 糸魚川市のデンカ青海工場で16日夜と19日夕に火災が発生したことを受け、市消防本部は27、28の両日、同工場で緊急立ち入り検査を行っている。

検査の様子(デンカ提供)

 16日は製造プラントの設備から、19日は敷地内の排水溝内にたまったガスが燃えて出火。19日の火災では協力会社の従業員1人が髪の一部を焦がした。製造プラントに影響はなく、製品の出荷に大きな影響はなかった。
 短期間に相次いで火災が発生したことで、市消防本部は緊急立ち入り検査を行うことにし、同工場内の危険物施設や防火対象物など76施設を2日間掛けて検査している。
 初日は検査開始前の事前ミーティングを除き、非公開で行われた。事前ミーティングには市消防本部、同工場から合わせて約25人が参加し、検査の趣旨や実施内容などを確認した。
 同消防本部の伊藤修予防課長は「(今回の火災は)大事には至っていないが、大規模な化学工場内での火災発生事案として、重く受け止めていただきたい」などと注意喚起。
 萩原丈士工場長は「2件の火災を立て続けに発生させてしまい、非常にご心配をお掛けした」などと謝罪した上で、「従業員一同、重く受け止めている。再発防止に全力を尽くす」と述べた。
 市消防本部によると、初日は38施設を検査。重大な指摘事項はなかったが、施設の維持管理について軽微な13カ所の改善を指導したという。

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