いざトキと金山の島へ カーフェリー「こがね丸」就航 佐渡汽船・小木-直江津航路

 佐渡汽船のカーフェリー「こがね丸」(2483トン)が29日、小木(佐渡市)―直江津(上越市)航路に就航した。カーフェリーの就航は2020年11月以来。11月12日まで1日2往復する予定。昨年までのジェットフォイル運航に比べ旅客定員が2倍以上、また車両の積載が可能となったことから、交流人口の増大が期待される。

直江津港を出港するこがね丸の第1便。多くの乗船客がデッキに出て手を振った(29日午前7時)

 こがね丸の最大旅客定員は584人、自動車は乗用車換算で150台を積載できる。小木―直江津間の所要時間は2時間40分。
 午前7時直江津発小木行きの第1便には、旅客286人が乗船し車両58台を積載。出港の1時間ほど前から乗用車やキャンピングカー、バイクが列をつくり、車両甲板のゲートが開くのを待った。乗船ゲート前には旅行かばんやスーツケースの他、釣りざおや折り畳み式の自転車を持った人が次々と集まり、乗り込んだ。

小木へ向かう第1便の乗船ゲートには長い列ができた(29日午前6時40分ごろ)

 航路を支援する県や上越市の職員も現場に立った。市産業立地課の職員は横断幕を用意し、船に乗り込む自動車のドライバーや乗船客に安全で楽しい旅を呼び掛けた。
 佐渡へ旅行に行くという、埼玉県飯能市の柴田将宏さん(34)は「毎年お盆に佐渡へ行っているが、どうしても『こがね丸』の第1便に乗りたくて北陸新幹線で来て、上越に1泊した。旧金井町に行く予定」と話していた。
 こがね丸は昨年7月、佐渡汽船が導入の方針を打ち出し、大分県と愛媛県の間を運航していたカーフェリーを購入。当初3月25日に就航する予定だったが、改造に必要な部品の調達が間に合わず延期されていた。
 就航に当たり、県と上越市、佐渡市は佐渡汽船に対し、船舶の減価償却費相当分の11億円を支援している。

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