老舗米屋の「さくらプリン」人気 秦野特産・八重桜使用の限定品、濃厚でなめらか

「さくらプリン」をPRする山口専務(左)と営業担当の香取さん=秦野市曽屋

 神奈川県秦野市の老舗米屋「米専門店やまぐち」(同市曽屋)が市の特産品「丹沢のさくら漬」を使用した「さくらプリン」を開発した。規格外の米を飼料にして育てた鶏卵を使った環境にも配慮した商品。同社の山口雅子専務は「おいしく食べられて、魅力ある地元商品の認知度向上と地域経済活性化につなげたい」と話す。

 「さくらプリン」は同店が開発したスイーツ「白いプリン」に、八重桜を梅酢と塩で漬け込んだ「丹沢のさくら漬」を使ったゼリーを組み合わせた限定商品。無添加・上白糖不使用で、自然な甘さと桜の風味が広がる濃厚でなめらかな味わいが楽しめるという。

 同店では田んぼから出る副産物を活用した商品開発も手がけている。さくらプリンでは北海道のグループ会社の養鶏場で、廃棄されやすい規格外のお米を飼料に使って育てた鶏の卵を仕入れている。

 「地元密着型の企業として地域経済の活性化や郷土愛の醸成などに貢献できないか」と、2月ごろから議論。全国有数の食用八重桜の産地として有名な「秦野の八重桜」にスポットを当て、認知度向上と地元生産者への還元を目標に開発に乗り出した。

 味の濃度調整に苦戦しながらも3月中旬に完成。販売後は売り切れる日もある。営業担当の香取基彦さんは「地域の魅力アップに貢献でき、生産者や地域のみんなが幸せになる好循環を生んでいる」と話す。

 同店は70年以上続く老舗米屋。最近では甘酒ソフトクリームや米酢ピクルスを自社開発し、店舗にカフェやドックランも併設した。現在は夏や秋に向けた新商品も開発中といい、山口さんは「100年とその先も新たな挑戦をして、今後も地域密着型企業として続けたい」と話していた。

 1個380円。同店やオンラインショップなどで5月31日までの限定販売。問い合わせは電話0120(954)967。

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