「幻の酒米」づくりを田植えから 「穀良都で日本酒造り」参加者募集中

 幻の酒米と言われる「穀良都」の育成と、完成した日本酒を楽しむ体験型イベント「穀良都で日本酒造り」が、5月から来年3月までの全4回で開催。参加者が募集されている。

 これは、JR山口線全線開通100周年記念事業の一つ。山口線の利用促進と、都市部と農村部との交流を目的に企画された。毎回の参加には、午前10時38分徳佐駅着列車の利用が求められる。

 最初の会は、5月14日(日)に開催。同駅から徒歩で約5分ほどの位置にある田んぼでの「田植え体験」だ。

 2回目以降の実施日は、稲の発育状況によって決定。原則日曜日の開催で、第2回は7月下旬から8月上旬に「除草作業」、第3回は9月下旬に「稲刈り体験」をする。毎回、専門家から酒米づくりや日本酒について学ぶ時間も設けられる。

 稲刈り後の米は、穀良都を使った日本酒を製造している竹内酒造場(防府市)によって醸造。来年3月の「日本酒完成会」でお披露目され、完成した日本酒を皆で楽しむ。

 定員は20人で、応募者多数の場合は抽選。参加料は1人1万2000円(全4回分)で、毎回提供される「阿東特産品弁当」の昼食、阿東産の新鮮野菜を使用したおつまみ、竹内酒造場が選ぶ試飲用日本酒などの料金が含まれている。

 参加希望者は、住所・氏名・年齢・電話番号を明記し、主催のNPOあとう(npo-ato@c-able.ne.jp、TEL083-956-2526)にメールで申し込む。締め切りは5月7日(日)。

 「酒米づくりから日本酒製造までを1年間通して行うイベントは珍しい。自らが栽培・収穫した酒米で完成する日本酒を、ぜひ楽しんで」と同団体。

 「穀良都」は、明治22年頃に山口市小鯖の伊藤音市が品種改良を重ねて生み出した酒米。その優秀さが認められ、昭和天皇即位の際には献上米にもなり、明治から大正にかけて全国各地で栽培された。しかし、穂高が高く栽培が難しいため、新しい品種の登場とともに姿を消し、「幻の酒米」とも言われている。

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