「農業をしたい人がもっと増えればいいし、担い手不足を少しでも減らしたい」。横浜市港北区で農業を営む飯島拓哉さん(25)は試行錯誤を繰り返しながら、農業の未来を支える新しい取り組みを模索している。
収穫したばかりのネギにスマートフォンを向け、交流サイト(SNS)のインスタグラムに投稿した。手塩にかけた旬の野菜や収穫作業の様子をできるだけおしゃれに発信する。「野菜について多くの人に知ってもらいたい。『写真にある野菜がほしい』というメッセージもうれしい」
2021年に開設したインスタのフォロワーは千人を突破した。新規就農者の増加につながってほしい、との願いも込めて野菜の魅力を発信している。
国の統計調査によると、10年に国内で農業を主な仕事とする「基幹的農業従事者」は205万人余りいたが、20年には136万人余りまで減った。農家や農業法人などの「農業経営体」は、同じ10年間で3割以上も落ち込んでいる。