神奈川・二宮町の温水プール廃止へ 天井の一部落下で2月から休館  費用負担重く再開めど立たず

営業再開が事実上断念された二宮町民温水プール=同町中里

 2月に天井の一部が落下して以来、休館となっている神奈川県二宮町の町民温水プール(同町中里)について、町は営業再開を事実上断念した。同プールは公共施設再配置・町有地有効活用実施計画で「廃止の方向で検討」とされている施設であり、このまま廃止が決定されるとみられる。町内にある三つの町営プールのうち、すでに一つは休止となっており、町のプール運営も曲がり角に来ている。

 町は4月に開かれた町議会議員全員協議会で、温水プールについて「現状としては再開は厳しい。廃止していく方向しかない」との認識を示した。

 町の説明によると、2月の落下事故は天井材に結露が染み込んで重くなったのが原因とみられている。そこで設備の点検などを行ったところ、通気ダクトに穴が発見され、そこから湿った空気が入って結露が発生したと考えられた。ただ、1994年の完成から約30年が経過しているだけにその他の設備にも経年劣化による不具合が見つかり、これらを修繕しないと利用者の安全は確保できないと判断した。

 費用として分かっている部分だけでも数百万~1千万円超かかるとみられ、期間も相当かかると見込まれることから再開のめどが立たないという。このため、廃止へ大きくかじを切ることになるが、決定は本年度内をめどとしている。

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