横浜市議選で選挙ヘイト 法務副大臣「選挙運動だからといって違法性否定されない」

 4月の横浜市議選で、立候補者の一人が差別を扇動する「選挙ヘイト」を行っていた問題が10日の衆院外務委員会で取り上げられ、門山宏哲法務副大臣は選挙を理由とした差別的発言は合法扱いにはならないとの見解を示した。林芳正外相も「人種や国籍による差別はいかなる社会においても許容されない」と述べた。国民民主党の鈴木敦氏(比例南関東)に答弁した。

 鈴木氏は、現行のヘイトスピーチ解消法が理念法にとどまっていることから「抑止効果がない」として罰則規定を設けるよう要請した。門山宏哲法務副大臣は「憲法に保障された表現の自由を踏まえ、禁止規定や罰則をあえて付さなかった制定経緯を踏まえて慎重に対応する必要がある」とした上で「特定の民族や国籍の人を排斥しようとする不当な差別的言動はあってはならない」と指摘。選挙ヘイトについて「不当な差別的発言は選挙運動だからといってただちに違法性が否定されるものではない。法務省の人権擁護機関でもその前提を踏まえて判断し、対応していく」と答えた。

 4月の同市議選では、中国から留学生として来日し日本国籍を取得した女性が国民民主党公認で立候補したところ、同じ選挙区の立候補者から選挙運動と称して出自などを理由に差別・中傷された。

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