水野きみこは花の82年組アイドル!デビュー曲は大村雅朗がアレンジした「私のモナミ」  5月11日は水野きみこの誕生日!

愛称は “キミー”、1982年にデビューした水野きみこ

歌手でも俳優でも芸人でも、入口だけでも大変なのに、そこに留まって活躍し続けるためは余程の強いハートの持ち主でなければ務まらないのが芸能界。わずか2年ほどで芸能界を去った彼女は、よい意味で普通の感覚を持ち合わせていた。

1965年5月11日名古屋生まれ。小柄で華奢、清楚で優しげな雰囲気の少女は中学3年生の時に渡辺プロダクションが経営していた東京音楽学院の名古屋校へ入学。スクールメイツとして活動した後に渡辺プロの歌手オーディションに合格して、1982年3月21日に上京した。

本名の水野規仁子から名前をひらがなにして、「水野きみこ」としてデビューを果たす。愛称は “キミー”。

17歳の誕生日を迎えてから間もない5月25日にポリドールから出された「私のモナミ」がファーストシングルとなる。レコードの初回盤はグリーンのカラーレコードだったのが印象的。尾崎昌也・裕司兄弟の作詞・作曲、大村雅朗のアレンジによる可愛らしいアイドルポップスは彼女のキャラクターによく合っていた。

“モナミ” はフランス語で、友達や恋人という意味で、ここでは恋人を指す言葉なのだろう。もう少し愛の度合いが高まると “モナムール” になる。

ちなみに翌6月21日に事務所の先輩・石川ひとみが出したアルバム『ジュ・テーム』ではフランスの楽曲「モナムール・モナミ」がカバーされている。同アルバムには尾崎昌也・裕司兄弟の作品もあることから、何か影響があったのかもしれない。

メガロポリス歌謡祭で優秀新人エメラルド賞を受賞

グリコや伊藤ハムなどのCM出演も早々に決まり、ファンクラブ「KIMIEE HOUSE(キミーハウス)」も設立された。7月にはこの年から始まったテレビ東京の『メガロポリス歌謡祭』で優秀新人エメラルド賞を受賞する。

そして同月に早くも出されたファースト・アルバムのタイトルは『は・じ・め・ま・し・て』。帯には、“は・に・か・む・キ・ミ・が・好き・な・ん・だ” のコピーが刷り込まれている。

全10曲中6曲のコーラスアレンジを広谷順子が手がけており、内2曲は作曲も。ほか、林哲司作曲の「恋は南風」、伊藤薫作詞・作曲の「小さな恋のメロディ」など上品な佳曲が連なった。

竹内まりやが作詞・作曲した2曲「五月生まれ」と「After School」はとりわけ彼女にフィットした楽曲であった様に思える。後の名曲「駅」を思わせる「五月生まれ」は竹内にセルフカバーして欲しい1曲だ。

9月にはミュージカル映画『アニー』のイメージソングだったセカンドシングル「夢見るアニー」がリリースされた。やはり尾崎兄弟の作品で、キラキラした彼女の可愛らしさが全面に押し出された曲。クリスマスイブには、東京・青山タワーホールで初のコンサートが開催されている。

「ヤンヤン歌うスタジオ」では近藤真彦の妹役を好演

歌以外の仕事では、バラエティ番組への出演も多く、テレ東『ヤンヤン歌うスタジオ』のコーナードラマ「マッチの燃えろ!青春」で近藤真彦の妹役を好演する。『クイズ・ドレミファドン!』では和泉友子から司会の座を引き継ぎ、高島忠夫の横に座った。2ヶ月遅れで同じ渡辺プロからデビューした坂上とし恵とは大の仲良しで一緒の仕事も多く、翌年には1年間務めた『クイズ・ドレミファドン!』の司会をバトンタッチすることになる。

1983年2月にリリースされたシングル第3弾「神よ何てお礼を言えばいいのか分らない」は、音つばめの花岡優平作詞・作曲による、人生の伴侶へのメッセージソング。実際に花岡の結婚式の際に、新妻へ捧げられた愛の讃歌だったそうである。渋谷・東急東横店を皮切りに3月から全国キャンペーンが展開された。方々の結婚式へ出向いて曲でお祝いする企画も。

18歳となり、6月にリリースされた4枚目のシングル「VIRGIN」は、大人っぽい路線へシフトされた勝負曲。併せて、相米慎二の演出によるイメージビデオ『こわいけど、ヴァージン。』もリリースされた。

2022年にはデビュー40周年を迎えた水野きみこ

8月には銀座・博品館劇場で藤城清治構成・演出によるミュージカル『秘密の花園』に主演。その直後に東名阪でのライブコンサートも開催されるハードスケジュールであった。歌唱力も確実に向上していた様子である。

翌1984年3月には野村誠一の撮影でヨーロッパロケが敢行された写真集『夢摘み』がサンリオから出版されたが、ファンが待ち望んでいた新曲は残念ながら出されることはなく、歌手活動は結局シングル4枚、アルバム1枚に留まった。

それら全ての音源は2002年に出されたベストアルバムでCD化されている。その時がデビューから20年。それからまた20年が経った2022年にはデビュー40周年を迎えたことになる。

1984年に芸能界を引退して帰郷した彼女は、地元のデパートに勤務した後に幸せな結婚をして暮らしていると聞く。今から5年くらい前にバラエティ番組で消息が追われ、約35年ぶりに姿を見せてくれたことがあり、表情と談話からその後の幸福な生活ぶりが窺えた。

純真無垢、儚いイメージのまま記憶に焼き付けられている水野きみこは永遠の美少女。いつまでも昭和の少年たちにとってのアイドルで在り続ける。

カタリベ: 鈴木啓之

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