「大型連休」栃木県内の観光地は人流減少 各観光協会は手ごたえ

 福田富一知事は10日、定例の会見を開きスマートフォンの位置情報を基にした大型連休中の県内の主要な観光地の人の動きについて、去年(2022年)と比べてわずかに下回ったと発表しました。

 最大で9連休となった今年の大型連休。新型コロナウイルスの感染症法の位置づけが季節性インフルエンザと同じ5類になるのを前に、栃木県内各地の観光地ではにぎわいを見せました。

 外国人を含まないスマートフォンの位置情報を基にした県内の主要な観光地の人の動きのデータによりますと、観光地によってばらつきはあるものの今年(2023年)と同じ行動制限がなかった去年と比べてわずかに下回りました。コロナ禍前の2019年は、JRグループの大型観光キャンペーンがあったため単純比較はできないものの、それと比べると平均で6割ほどに留まったということです。

 福田知事や県の観光交流課では、今年は4月に暖かい日が続き花の開花が例年より早まり、連休前に見ごろを終えてしまったことや旅行先を遠方や帰省を選んだ人が多かったことが少なからず影響したのではないかと分析しています。

 一方で、とちぎテレビが独自にそれぞれの観光協会に聞き取りを行った結果、世界遺産を抱える日光では、外国人観光客が多く見られ宿泊状況は全体的に去年と同等か、わずかに上回ったということです。観光施設を訪れた人の数は、去年を上回ったところが多くあり鉄道利用も着実な回復が見られました。

 また、那須塩原、那須では、ほとんどの宿泊施設で去年と同じかそれ以上でした。大藤が有名なあしかがフラワーパークがある足利は集計途中ですが、去年を上回った手ごたえがあるといい、陶器市が開催された益子も、上回りました。

 ただいずれの観光地でもコロナ禍前の水準に戻っている所はほとんどなく爪痕はまだ残っています。

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