神奈川・中井やまゆり園虐待問題 入所者の顔を平手打ちなど9件が虐待認定 同園支援改善へ小規模化検討

外部識者から中井やまゆり園の改革に向けた提言を受け取る黒岩祐治知事(右)=12日午後、県庁

 県立知的障害者施設「中井やまゆり園」(中井町)で入所者への虐待が相次いで発覚した問題で、県は12日、同園職員が入所者の顔を平手打ちするなど9件の行為が虐待に認定されたと発表した。黒岩祐治知事は同園の支援改善のため、施設定員の小規模化などを検討する考えを示した。

 県が公表した最終調査報告書によると、2015年度から21年度にかけて同園職員が入所者11人に行った9件の行為がネグレクトや身体的虐待、心理的虐待に当たるとして、障害者虐待防止法に基づき関係市町村に虐待認定された。9件は▽顔を平手打ちし、拳で額を殴った▽居室の天井が便まみれの環境で生活させた▽服薬用の水に塩や砂糖を混ぜた▽肛門内にナットが入っていた─など。

 県はこの9件を含む計25件を虐待が疑われるとして、関係市町村に虐待通報していた。9件を除いた8件は不適切な支援、ほか8件は事実が確認できないと判断されたという。

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