新ルール導入で平均試合時間は28分短縮 盗塁数や安打数も増加中

今季のメジャーリーグでは「ピッチクロック」「守備シフト制限」「ベースサイズの拡大」という大きく分けて3つの新ルールが導入された。それぞれ「試合のペースアップ」「インプレー打率の上昇」「塁上でのアクションの増加」を主な目的としたルールだが、メジャーリーグ公式サイトのマニー・ランダワ記者によると、レギュラーシーズンの約4分の1が消化した時点で、これらの新ルールは狙い通りの効果を発揮しているという。平均試合時間は大幅に短縮され、盗塁数や安打数は増加しているのだ。

ピッチクロックが導入されたことにより、日本時間5月12日の全試合が終了した時点(レギュラーシーズンの23.3%が終了した時点)で9イニングの平均試合時間は、昨季の同時期の3時間5分から今季は2時間37分と28分も短縮された。投手は無走者時15秒以内、有走者時20秒以内に投球することを求められるが、平均すると残り6.6~8.1秒くらいのタイミングで投球を開始しており、ランダワ記者は「ピッチクロックは投球間の時間を十分に確保しているようだ」と伝えている。

また、守備シフトの制限により、各チームは内野の両側に2人ずつを配置しなければならなくなったが、これによりインプレー打率(BABIP)は昨季の.290から今季は.296に上昇。特に左打者の右方向への打球は昨季の同時期と比較してBABIPが35ポイントも上昇しているという。その結果、左打者全体のBABIPも昨季の.283から今季は.293と大きく上昇した。予想された結果ではあるものの、右打者よりも左打者のほうが守備シフト制限の恩恵を受けている。

さらに、ベースサイズの拡大とピッチクロック導入に伴う牽制制限により、1試合の平均盗塁企図数は過去11年間で最多の1.8回となり、現時点での盗塁成功率78.3%は史上最高の数値となっている。1試合あたりの投手による牽制球の回数は昨季の6回から5回に減少した。

なお、シーズンが進むにつれて、選手たちも新ルールに適応しており、「日本時間5月12日までの全試合のうち、52%の試合ではルール違反がなかった」とランダワ記者は伝えている。

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