【聞かせて】 No.811「八代拓さん・就任から1年の『ゆだ苑』理事長」

 2022年5月、原爆被害者支援センター「ゆだ苑」理事長に就任した山口大経済学部准教授。1年間を振り返り、「『ゆだ苑』の仕組みや取り組みを学ぶ期間だった。今後は学んだことを踏まえ、事業の継続、平和活動への発展に取り組んでいきたい」と、思いを新たにする。

 年々、被爆者の数が減り、高齢化が進む中で「被爆体験をどうやって伝えていくかが大きな課題」という。被爆体験を録音したカセットテープをデジタル化したり、語り部の動画をサイトにアップロードしたりするなどのデジタルアーカイブ化によって、“声”を受け継ぐ取り組みを始めている。

 終戦から1978年。「今の若い人たちは、平和の大切さについては学んでいるが、戦争についてもっと知るべき。わからないものに恐怖を抱くのではなく、正しく知り恐れることで、正確な判断ができる」と話す。

【プロフィル】1982年埼玉県生まれ。一橋大卒、東大公共政策大学院修士課程修了。野村総合研究所に入社し、働きながら一橋大大学院法学研究科で博士号(法学)を取得した。2018年3月に退社し、同年4月から山口大経済学部に着任し、現在准教授を務める。

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