【マイナ保険証】有効なのに「無効」表示44件確認 大阪府保険医協会

 マイナンバーカードに保険証の機能を組み込んだ「マイナ保険証」に関するトラブルが相次いでいるが、大阪府保険医協会がマイナ保険証の運用状況に関するアンケートを実施したところ、4月以降だけでも、有効なはずなのに「無効」と表示されるケースが44件確認されるなどトラブルが続いている現状が明らかになった。

誤登録も8件確認 双子を同一人物とするケースも

 大阪府保険医協会によると、同協会が5月上旬にマイナ保険証の運用状況についてアンケートを実施。運用中と回答した医療機関143施設について、4月以降なんらかのトラブルに見舞われた施設が78施設(54.5%)あることが分かった。最も多かったのは「該当の被保険者番号がない・資格情報が無効」で44件。逆に「3月末で保険証期限が切れているのに有効と表示された」ケースもあったという。また「システム障害で確認できない」事例も29件確認され、システムの根本的な信頼性を疑わせるトラブルが相次いでいることをうかがわせる。

 さらに登録情報が間違っているケースも8件確認された。フリガナや氏名漢字の間違い、なかには双子を同一人物としていたものもあったという。加藤厚生労働大臣はさきに誤登録が明らかになった7300件について「既にすべて修正済み」としているが、今回発覚したケースが修正済みに含まれているかは不明。

 同協会は「厚生労働省は改善されてきていると言うが、マイナ保険証での利用者が現在は少ないにもかかわらず、運用開始当初と同じシステムの根本的なトラブルが多く、マイナ保険証のみの運用となった時の対応に不安であることを示す実態が多く寄せられている」と指摘しており、紙の保険証の廃止に反対を表明している。

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