「海老名の大欅」いつまでも 地元RCが枝を活用し、ストラップ作製 小学校や資料館に寄贈

幹が空洞化するなどして衰退が心配される「海老名の大欅」=海老名市国分南1丁目

 樹齢580年といわれる県指定天然記念物「海老名の大欅(けやき)」(海老名市国分南1丁目)の維持管理に長年携わっている「海老名欅ロータリークラブ(RC)」(小川満会長)は、大欅の子どもの木から作ったストラップ千個を近くの市立海老名小学校に、200個を市郷土資料館「海老名市温故館」(同)に寄贈した。

 市教育委員会によると、大欅は樹高約12メートル、根回り約15メートルで、市のシンボル的な木。かつて海が深く内陸に入り込んで、この辺りが入り江になっていた頃に、漁師が舟をつなぐために打ち込んだくいが根を出して成長した、との言い伝えがあるという。

 幹が傷んで空洞化していることから市は1996年から、県教育委員会の補助金を活用して空洞部の被覆、腐朽部の保護などを続けてきた。また大欅の枝を挿し木にして育てる取り組みを県森林研究所(現・県自然環境保全センター)に依頼し、千本の苗木のうち約30本が根付いたという。これら大欅の「子どもの木」の一部は高座清掃施設組合(同市本郷)敷地内などで育っている。

 一方、大欅にちなんだクラブ名を持つ海老名欅RCは、大欅周辺の草刈りなど保護活動を行ってきた。大欅の「子どもの木」の枝を挿し木にして「孫の木」を増やす活動にも取り組む。この活動で不要になった「子どもの木」の枝を長さ5センチほどに切ってコーティングを施し、ストラップを作製した。

 同RC奉仕プロジェクト委員長の青木浩一さんは「大欅のDNA、子孫を増やす活動に取り組んでいる。ストラップを身近なものに付けてもらって、多くの子どもたちや市民に大欅のことを知ってほしい」と話している。温故館では寄贈されたストラップを希望者に配布する。

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