澄み渡る青空。美しい芝。白球が奏でる音に、歓声が重なり合う。最高峰のプレーに心躍り、熱く盛り上がる場所。メジャーリーグ武者修行の旅でアメリカ中を飛び回り、全30球場を制覇したスポーツアナウンサー福田太郎が、あなたを「夢のボールパーク」にお連れします。MLBスタジアムの世界へ、ようこそ。
世界最新ボールパーク
驚きがいっぱい、それでいて、歴史も感じられるのが、テキサス・レンジャーズの『グローブライフ・フィールド』です。2020年に開業したばかりの、MLB 30球団で最も新しい野球場は、世界最先端のスポーツエンターテイメントと、ファンへの愛に溢れています。オフの補強で選手層に厚みを増したチームは、スタートダッシュに成功。熱気に包まれるボールパークへ、さあ! 出発です!
[重厚感ある大迫力のスタジアム!](
グローブ・ライフ・フィールドへ
アメリカの真ん中、南部に位置するテキサス州の「ダラス・フォートワース国際空港」から、アーリントン市の球場まで、車で15分ほど。レンガの壁が美しい「グローブライフ・パーク(2019年までの本拠地)」が見えてきたら、もうすぐそこです。
大きな屋根とガラス窓が特徴。正面玄関前で、テキサスの名投手ノーラン・ライアンさんの銅像に出迎えられたら… Globe Life Field! Nice to meet you!!!
[テキサスにようこそ! カウボーイな特大ボブルヘッド](
Ballparkの楽しみ方
至る所で、テキサスのカルチャーを感じられます。かつてのスタジアムで使われていた時計があったり、カウボーイ仕様のグッズがあったり。新しさの中に、ちょっとレトロな雰囲気も交わります。
テキサスといえば、全てが大きい! スタジアムフードも、とってもクレイジーです。「ビアバット」は、野球バットの形をした容器の中に、ビールをたっぷり。お土産にもぴったり!
[入荷しては、即売り切れる人気商品!](
巨大なホットドッグ「ブーム・スティック」は、長さ60センチ。とっても美味しいので、挑戦してみてはいかがでしょうか? 一人で食べ終えると、ウエイトもウエストも、倍になったような気分(笑)
[ものすごい重みを感じる…](
レンジャーズ中継の解説を務めるCJ・二コースキーさんは、かつて福岡ソフトバンクホークスでプレーした左腕。日本が大好きな実況のデイブ・レイモンドさんと「俺たちの新しい友達が、とんでもないことをやってのけた! 一人で完食したなんて、アンビリーバボー!」と、放送のネタにしてくれました。
[日米の野球の違いは、それぞれの魅力であることを学びました!](
全てはファンのために
ひとつ道を挟んだ向こう側に、素晴らしい旧球場がありながら、11億ドルをかけて新球場を建設した最大の理由こそ、開閉式の屋根でした。
昨季レンジャーズの野球殿堂に選ばれたレジェンド、ジョン・ブレイクさんが「夏になると最高気温が40度を超える日もある、灼熱のテキサス。暑さに耐えかねて、試合の終盤にも拘らず、帰ってしまうお客さんも多かった。大切なファンに、最後まで快適な環境で楽しんで頂くため、屋根が必要だった」と移転の理由を教えてくれました。
夏はエアコン、春先や秋には、屋根が開き、気持ちの良い青空の下、心地良い風に吹かれて、野球を楽しむことができます。
[綺麗なブルースカイ!](
誰もが楽しめる空間
野球が好きな人も、あまり興味がない人も、試合中も、その前後も。みんなで楽しめる空間が、ここにはあります。野球場の周辺には、飲食店やライブハウスに、ホテル。球場内のコンコースは、広くゆとりがあり、老若男女、家族や友人グループで一緒に過ごせる環境が整っています。
間近でエキサイティングなプレーを楽しんでもらおうと、地面を掘ったような、グラウンド目線のシートが、バックネット裏に加え、レフトとライトにも設けられています。昔ながらのロッキングチェアに揺られるシートや、豪華なVIP席も。フィールドが見える位置にキッズスペースがあり、大人も子供も退屈しません。人気のボールパークツアーに参加すると、チームストアでの買い物が割引になるサービスもあります。
I can’t thank you enough!
全30回にわたってお読み頂き、動画を楽しんで頂き、ありがとうございました。拙い文章や編集でしたが、皆さまからの温かな言葉が、いつも背中を押してくれました。日本の皆さんに野球を楽しんで貰う、MLBの取り組みに触れ、昨シーズンの渡米も応援して頂いたおかげで、MLBにどっぷり浸かって、沢山の学びを得て、帰国することができました。
北海道日本ハムファイターズの「ES CON FIELD HOKKAIDO」を手掛けたのも、レンジャーズの「グローブライフ・フィールド」をデザインしたアメリカ大手のHKS。活かされている知見が多くあると感じます。
MLBの魅力は「みんなで楽しい気持ちをシェアできること」だと、私は思っています。球団職員が舞台を整え、選手たちが世界最高峰のプレーを見せ、ファンの皆さんが盛り上がる。このトライアングルが重なることで、ボールパークは熱気に包まれます。野球場に来て良かった! と、心から思える瞬間です。ぜひ足を運んで、素晴らしい雰囲気の中に飛び込んでみて下さい。
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福田太郎(ふくだ・たろう)/ 1991年生まれ。HTB北海道テレビ放送アナウンサー。プロ野球の実況中継や、朝の情報番組MCを担当した後、2022年2月から11月まで休職。MLB全30球団・ボールパークを訪ね、世界最高峰のスポーツエンターテイメントを学び、22年12月に復職。写真:福田太郎
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