人種差別に辟易するヴィニシウス。解決策はエンバペとのトレード?

写真:人種差別問題の渦中で揺れるヴィニシウス。どんな決断を下すのか ©Getty Images

ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールはレアル・マドリードとの契約を更新し、大幅な昇給を勝ち取ることが既定路線と見られていたが、その未来が不透明なものになっており、驚きのトレードが成立する可能性もあるという。スペインのウェブメディア『ELGOLdigital.com』が報じている。

ヴィニシウスはラ・リーガ第36節、メスタージャで行われたバレンシア戦で相手サポーターから人種差別的な発言を受け、これに激怒して試合がおよそ10分間にわたって中断するという事態に直面した。

スペイン国家警察がスタジアム内外の映像を解析しながら人種差別発言の当該人物を割り出して逮捕し、クラブ側も当事者に対してスタジアムへの永久入場禁止言い渡す一方、レアル・マドリードもヴィニシウスがケガで欠場したラ・リーガ第37節の試合で先発メンバー全員がヴィニシウスのユニフォームを着用して入場し、彼への連帯を示すなど、各方面で彼をサポートする動きが見られている。

しかしヴィニシウスへの人種差別的な言動はこのバレンシア戦に限ったものではなく、これまで何度も繰り返されてきた。ヴィニシウス自身も「ラ・リーガは人種差別主義者のものになってしまった」と非難するなど、問題は今もくすぶり続けている。

レアル・マドリードに所属する限り、彼への人種差別は今後も続くとみられる中、フロレンティーノ・ペレス会長が不本意ながらも彼を放出するオペレーションに乗り出す可能性があると『ELGOLdigital.com』は見ている。

そして同メディアによると、ペレス会長が狙っているのはパリ・サンジェルマンと交渉し、ヴィニシウスとフランス代表FWキリアン・エンバペのトレードを成立させることだという。

両者ともに左ウイングを得意ポジションとしており、ヴィニシウス22歳、エンバペ24歳と年齢にも大きな差はないため、トレードになったとしても両クラブが被るデメリットはほとんどないと言える。

また、レアル・マドリードとしては余計な資金をかけずにエンバペを手に入れられるため、ジュード・ベリンガム(ドルトムント)やカリム・ベンゼマの後継者となり得るストライカーの獲得に全力を注げるというメリットがある。

PSGとしても、2024年夏の退団が噂されているエンバペをそれよりも1年早く手放すことになるが、実力者のヴィニシウスが手に入るだけでなく、移籍の噂を巡る報道に煩わされなくて済むようになる。

『ELGOLdigital.com』はヴィニシウスとエンバペのトレードを「完全には否定できないシナリオ」とし、「夏に何が起こり、どんな結末を迎えるのか見守らなければならない」としている。

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