海守る活動もっと身近に感じて 横浜市大の学生団体が奮闘 プラごみ回収、ラジオ出演も

コンタクトレンズの空ケース回収や海洋保全に向けた啓発に取り組む「Clover」のメンバー(同団体提供)

 海を守る活動に気軽に関わるきっかけをつくろうと横浜市立大学(同市金沢区)の学生が団体を立ち上げた。協働する企業や大学のサポートも受けながら、まずは身近なプラスチックごみの回収などに取り組み、海洋環境の保全につなげたい考えだ。

 団体は「Clover(シーラバー)」。海(シー)を愛するとの思いを込めて、昨夏に発足した。SDGs(持続可能な開発目標)の一つである「海の豊かさを守ろう」をテーマに、海洋汚染の原因となるプラごみの回収のほか、ラジオ出演や大学祭を通じた啓発、海岸清掃などの活動に取り組んでいる。

 発足のきっかけは、コンタクトレンズ大手のシード(東京都)の協働提案だった。回収したレンズケースを再資源化するプロジェクトを展開する同社が、同大に回収の協力を依頼。学内のボランティア支援室の呼びかけで説明会に集まった有志が団体を結成し、現在は1年生から大学院生の18人が活動する。

 中心メンバーの中川広望さん(19)は入学後にボランティアに挑戦したいと参画した一人だ。団体として大切にしているのは「参加の気軽さ」。「海を守るというと難しかったり、面倒だったりする活動と思われがち。私たちは、誰にでもできる簡単なことからやりましょうと呼びかけている」

 コンタクトレンズを使う学生たちが気軽に関われる空ケース回収もその一手段で、海の問題を知ってもらう「入り口」だ。回収された空ケースは同社がリサイクル業者に売却後、物流パレットに再生するほか、売却で得た利益も環境団体に寄付し、さらなる海洋保全活動につなげる。

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