厚木市、チャットGPT実証 「アイデア出し」は有効 人間がチェックする必要性も

チャットGPTに質問を打ち込む職員=厚木市役所

 対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の実証実験を23日からスタートさせた厚木市は同日、市情報政策課でGPTを使って文書を作成するデモンストレーションを実施した。

 担当職員がパソコンに「あつぎ鮎祭りをPRする方法を5つ考えてください」と入力すると、チャットGPTは0.5秒ほど「考える」かのような間をとった後、文章をすらすらと打ち出した。

 答えは(1)「フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどを利用して、イベントの情報を発信しましょう」から始まり(2)「オンライン広告の展開」(3)「地元商工会議所、観光協会、地元メディアなどと連携。地元の新聞やラジオ局、テレビ局などでメディア露出を増やす」(4)「駅やバス停、商業施設などでイベントのチラシやポスターを配布」(5)「地域外の観光情報サイトやイベント掲示板、観光案内所などで広告や情報を提供」-と並んだ。

 山口貴裕市長が掲げる「近隣市町村との広域連携」についても尋ねると(1)地域間の交流イベントの開催(2)観光ルートの連携(3)地域間の情報共有(4)市町村間の交通インフラの整備(5)地域ブランディングの共同推進-と、模範的ともいえそうなプランが並んだ。

 同課では「(どのようなやり方があるか考える)『アイデア出し』では有効だと思う。ただ、出てきた答えが正しいかどうかは人間がチェックする必要がある。下書きにはいいが、正確性の確認に手間がかかるようなケースでは、効率はあまり変わらないかもしれない」と感触を話していた。

 市長室、政策部、総務部で2週間程度、先行して利用しており、セキュリティーに問題がないか確認したうえで、6月中旬から全庁での利用を始める。

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