梅毒、今年に入りすでに5453人感染 過去最多の感染ペース止まらず

国立感染症研究所は30日、今年に入ってからの梅毒の患者数が5453人(21日時点)になっていると発表した。過去最多だった昨年を上回るペースで増え続けている。

昨年同期より1.4倍近く上回る

 梅毒が昨年に続き過去最多ペースで感染拡大している。昨年は1万2966人(暫定値)で過去最多を更新したが、今年はそれをさらに上回るペースとなっている。今回感染研が発表した数値、5月14日までに感染が分かった5453人と昨年同期の数値よりさらに1.4倍近く上回っている。内訳は男性は20~50代が多く、女性は20代が最も多い。

 この病気は、治療しなくても初期の症状が数週間でいったん収まり、さらにその後1ヵ月以上経ってから全身症状が現れることが多いため見過しや他の病気と自己診断されることもあり、治療に至らないことも多い。しかし放置していると重篤化するケースもある。また妊娠している女性が梅毒にかかった場合、胎児に感染し流産や死産、先天異常を引き起こす要因となりうるので注意が必要だ。治療については効果的な抗菌薬があり、重篤化する前に受診し服薬すればほぼ寛解する。

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