静かな住宅地に衝撃 住民に大きな不安 上越市大貫殺人事件

 1日夜、殺人事件が発生した上越市大貫4は静かなニュータウンだが、その静けさは一夜で一変した。
 地元関係者によると、殺害された中村礼治さん(62)は10年ほど前に同所へ引っ越してきた。住民の一人は「がっしりした体格だが、穏やかな人で、トラブルは聞いたことがなかった」と話す。別の住民は「家はそれほど遠くないが、会ったことがない。こんな所で殺人事件が起きるとは」と驚いていた。
 2日、県警捜査本部が開いた記者会見。本部長を務める大澤宜夫刑事部長は、被害者が何らかのトラブルを抱えていたか、との質問に対し「今後の捜査で明らかにしていく」とした。また容疑者については「あらゆる犯人像を描いている」と述べた。
 学校に近い住宅地での事件だけに、住民の不安も大きい。記者会見で上越署の久須美賀通署長は「事件発生場所を重点にパトロールしている。週末に学校行事があるとも聞く。地域、学校関係者と協調して安全対策を行っていく」とした。
 近くにある飲食店では、事件を理由に昼の予約のキャンセルが相次いだ。40代の店主は「こういう影響があるとは。早く容疑者が逮捕され、平穏な街に戻ってほしい」と話していた。
 上越市は同日、事件を受け城北、城東、城西、春日の4市立中学校と大手町、南本町、春日、高田西、東本町、飯、高志、大町、黒田の9市立小学校を臨時休校とした。公立保育園・幼稚園は休園しないものの、園を通して保護者に注意喚起した。
 また、市内の私立幼稚園、認定こども園6園が休園、6園が登園自粛の措置を取った。
 市は同日夕方、防災危機管理部をはじめ関係部局が集まって会議を開き、警察をはじめ関係機関と連携し、市民の安全安心の確保に努める方針を確認した。

捜査本部の記者会見。大澤本部長(中央)は容疑者の早期検挙と市民の安全確保に尽力する方針を示した

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