那須烏山市の防災集団移転 住民に移転候補地を提示 「別の候補地も」、「事業日程に不安」など意見も

 2019年10月の東日本台風で広い範囲で住宅が浸水し、高台などへの防災集団移転を検討している那須烏山市で4日、対象地区の相談会が開かれ移転の候補地が初めて示されました。

 那須烏山市では、東日本台風で那珂川の水が溢れ、下境地区と宮原地区の2つの地区で合わせて113世帯が浸水しました。そのため、市と国は被災した地区の住宅を高台などに移転させる防災集団移転を検討していてこのうち4日は、下境地区で集落ごとに3回に分けて相談会を開きました。

 相談会には対象の72世帯のうち48世帯が参加し、いずれも冒頭のみ公開で行われました。この中で、下境地区では、同じ地区内で高台になっている旧境小学校跡地周辺の土地が移転の候補地として示されました。市が所有する小学校跡地は、1万2千平方メートルあり、そのほかの土地については、市が今後、買収するため地権者と交渉することになります。

 説明会に参加した住民からは、「別の候補地も示してほしい」や「事業スケジュールの進ちょくが不安」などさまざまな意見が出ました。

 6月10日には、宮原地区の40世帯を対象にした相談会で、この地区の移転の候補地が示されます。

 市は、移転が検討されているすべての世帯から移転を希望する合意を得たうえで、年内にも国に、より具体的な事業計画を提出する予定です。

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