木村達成 主演 PARCO劇場開場50周年記念シリーズ 「新ハムレット ~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~」

PARCO劇場開場50周年記念シリーズ「新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~」が6月6日に開幕。

太宰治がシェイクスピアの「ハムレット」を戦前に書き直し、戯曲形式の長編小説「新ハムレット」の舞台。今回は、PARCO劇場初登場となる五戸真理枝がこの小説を上演台本にアップデートし、五戸の演出で立ち上げる。6日の前日、ゲネプロと会見が行われた。

会見 コメント から

木村達成
[意気込み]
ハムレットという役を通して、太宰治の気持ちをお届けできるかと。台本を読んで色々なことを考えました。
日々稽古をして、日本人の気質、愛を言葉で表現しえる、日本人ぽいなと思っていました。
言葉で伝える愛情、寄り添いながら、シェイクスピアの「ハムレット」という作品、太宰治自身が、素晴らしい作品だなと気持ちをもったのかなと…ということを考えながら、初日はできるだけ、言葉で表現するよりは〜自分でも何言ってんだか全然わかんないんですが(笑)、できるだけたくさんの方に楽しんでもらえるように!頑張ってやっていきたいと思っております!
[お気に入りのセリフ]
「言葉がなくなりゃ、同時にこの世の中の愛情もなくなる」、言葉が刺さりましたね。人間は言葉の動物…まさにそれだなと。伝わらない愛はなかなか受け取れないし…できるだけ伝えて欲しいなと、というのが、今の木村達成であり、演じているハムレットの気持ちです。
[ラップに挑戦していることについて]
普段、ミュージカルに出演する時は自分の歌を録音したりするのですが、今回は全くしていませんので、どう聞こえているかわからないのですが、すごく早口でしゃべるので、ラップなのでブレスする瞬間がなくって、苦しい(笑)。ただ、ラップという表現でハムレットの脳内に残っている言葉たちがばーっと出てくるのはすごく面白い表現だなと思いました。それが突出して出るのではなく、木村達成が演じるハムレットならやりかねないな、という表現ができたらいいなという形で表現できたらいいなと思います。
[来場するお客様へ]
僕はほとんどのシーンに出ているので、客観的にこの舞台がどう見えるかはあまり感じられていないのですが、でも、いろんなところに共感できるポイント、それこそハムレットに共感できるポイントがたくさん詰まっていますし、愛、誰かを思いやる気持ちで成り立っている舞台ではあると思います。原作の『新ハムレット』を読んだ方、シェイクスピアの『ハムレット』を読んだ方、どちらも読んだ方は、違いもたくさんあり、そういうところも面白く、長々としゃべる部分もいっぱいありますがそこすらも魅力に感じてしまう作品になっていると思います。

島崎遥香
[意気込み]
先輩方にアドバイスをいただいて、松下由樹さんには、特に時間をさいて付き合っていただき、たくさんのアドバイスをいただきました。それらを無駄にしないよう、千秋楽まで精一杯走り抜けたいと思います。
[お気に入りのセリフ]
自分のセリフではないのですが、父のポローニヤスの心得がとても好きです。あとは加藤諒くんのセリフですが、ホレーショーのお母さんが感じられるようなセリフがあり、それがすごくいいな、と。

加藤諒
[意気込み]
僕はもう、不安で!今回(池田)成志さんにアドバイスをたくさんいただいて!成志さんのことが大好きになりすぎちゃって、もう……思い出しただけで泣きそう!(隣で池田成志さん「作品のことを」と加藤諒に)不安で押しつぶされそうなところを成志さんに救っていただいたので、作品に感動できるようにみんなで!(「1人だけ千秋楽みたいだね!」という声が)
[お気に入りのセリフ]
個人的な欲が入ってますが、ハムレットが「ああ〜ホレーショーに会いたい」っていうセリフがあるのですが、それを袖で聞いて「キューーーン!!!」ってなってます(笑)。

駒井健介
[意気込み]
まわりくどいセリフがたくさんあって、みなさん、本当に苦労して…どうにか形に。
僕の目標としては気張らず固くなりすぎず、がんばれたらと思っております。
[お気に入りのセリフ]
色々あるのですが、一番は「愛は言葉だ」。いちいちまわりくどく言うのは、結局、愛があるから。自分のセリフではないのですが。

池田成志
[意気込み]
一言で言うと、とても問題作だと思います。大人しい芝居かと思いきやぶっ飛んでいたり、急に大人しくなったり、詩劇のように朗々と言葉が羅列されたり、人情劇のようだったり。観ている方が『あまりにも人間ってしゃべるんだ』と呆れてしまわないように我々、頑張っていきたいと思います。観た方に「非常に問題作だった」と言っていただければ。
[お気に入りのセリフ]
僕のセリフですが「苦しさっていうのはなしにしましょう」それを肝に銘じて。稽古期間含めて苦しいので…。

松下由樹
[意気込み]
今までに感じたことのない「ハムレット」になっていると思います。
シェイクスピア作品を遠くに感じていらっしゃる方がいらしたら、太宰治が書き直した今回の作品はグッと身近に感じながら、そして観たことのないようなことも感じ、そしてはずです…丁寧に演じて、初日を迎えて最後まで、走り抜けたいと思っています。
[お気に入りのセリフ]
『あなたはハムレットそっくりね』というセリフがよく出てくるのですが。拗ねたり泣いたり怒ったり、ああ言えばこう言ったり、そしてちょっと気取った言い方をしたり、そういうのを「あなたもハムレットそっくりね、似ていますね」って…今までの「ハムレット」、シェイクスピアとはまるで違う、復讐劇ではないことがすごく表れているセリフ、何かあった時は「ハムレットそっくりね」と普段でも言いたくなるような(笑)、そんなセリフです。

平田満
[意気込み]
衣裳をご覧の通り、童話や昔話のような仕立てもありつつ、非常に現代的なやり取りが劇中にあったりして。どこがどういうふうにお客様に伝わるかあまりわかってはいないのですが、何か1つでも思い当たるところが伝わればいいなと。そういうところをを見つけてくださるような芝居をしたいと思います。お客様が入って初めて完成するもの。そういう意味では不安、でも楽しみでもあります。
[お気に入りのセリフ]
今、言っちゃっていいのかどうか分かりませんが、「強くなれ、クローヂヤス」、もう…クローヂヤスはとても小心者で、そういう意味では小さい人間。「強くなれ、クローヂヤス」、(座右の)銘にしておきます。

五戸真理枝 上演台本・演出
[意気込み]
台本は137ページ中、133ページは太宰の言葉で。俳優陣の喋り辛さ…皆さんには大変なご苦労をおかけしているのですが、太宰治が一語一語にこめた読者を楽しませたい、その精神がとても強く感じられるなと。全てのセリフに愛がいっぱいある…読み合わせのときの段階から感じていたのですが、それをいかに舞台上で立体化するか、稽古期間を通して皆さんと試行錯誤してきました。私も自分の言葉で真剣に愛されれば生きていける、みたいな…このお芝居の愛情深さという意味では、とても真剣で…2時間50分ちょっとお客様を真剣に愛するような、と私自身は思っております。確かに変なところもたくさんあると思います。歪な愛を受け取っていただけたら、と思っております。
[お気に入りのセリフ]
かなりのネタバレですが、一番最後のハムレットのセリフ…この一言で幕が切れるのか(笑)、この難問。上演することが決まってからずっと戦ってきました。木村さんとも相談しました…かっこよく幕切れできたらいいなと。
[2014年の上演について]
最初はリーディング、2014年だったんですが、台本を離さない形で上演しましたが、それをやると言葉の外にある人物の感情の流れが非常に激しいことに気がつきました。…そのリーディングの上演がきっかけで「台本を離したらどうなるだろう」と。

あらすじ
デンマークの首府、エルシノア。国王が突然崩御し、弟のクローヂヤス(平田満)が即位、先王の妻で王妃のガーツルード(松下由樹)と結婚する。侍従長ポローニヤス(池田成志)の息子レヤチーズ(駒井健介)が遊学に出かける一方、遊学を認められない王子ハムレット(木村達成)は、定められた運命と、叔父であり義父となったクローヂヤス、母ガーツルード、そして恋人でありポローニヤスの娘でもあるオフヰリヤ(島崎遥香)との関係に思い悩む。
そんな折、友人ホレーショー(加藤諒)から先王の亡霊が現れるという噂を聞きつけ、ハムレットはクローヂヤスが 父親を殺したのではないかと疑念を抱き始める。
泣き虫のハムレット、秘密を抱えるオフヰリヤ、敬語を絶やさない王クローヂヤス・・・『ハムレット』と同じ役名ながらも一味違う、悩める登場人物たちの行く末やいかに!

概要
公演名:
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ
『新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~』
作:太宰治
上演台本・演出:五戸真理枝
出演:木村達成 島崎遥香 加藤諒 駒井健介/池田成志 松下由樹 平田満
日程会場:
東京:2023年6月6日(火)~6月25日(日) PARCO劇場
福岡:2023年7月6日(木) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
大阪:2023年7月9日(日) 森ノ宮ピロティホール
企画製作:株式会社パルコ
問合:03-3477-5858 (時間短縮営業中)https://stage.parco.jp/

公式サイト:https://stage.parco.jp/program/shin-hamlet

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