日光市"足尾地域"の活性化 多くの人に愛された味「足尾の味ホルモン」が復活

 多くの人に愛された味が復活。山あいにある日光市足尾町で半世紀以上にわたって営業したホルモン専門店の味が再現され、食を通じた足尾の活性化に期待が高まります。

 復活した「足尾の味ホルモン」は、タレとセットの冷凍で、かつて足尾で愛されたホルモン専門店「ホルモン末広」の味を再現しています。

 ホルモン末広は、多くの鉱員たちでにぎわった足尾銅山が閉山するよりも前の1959年にわたらせ渓谷鐵道の通洞駅の近くで営業を始めました。味はもちろん昭和の香りが漂う店内や店主の戸川ヨシイさんの人柄が多くの人たちを引き寄せました。

 とちぎテレビでも番組の中で、その魅力を紹介しましたが、その1カ月後の2019年の年末、生涯現役を貫いた戸川さんが95歳で亡くなり、約60年続いた店は静かにのれんを下ろしました。

 しかし、足尾の食文化を絶やしてはならないと、国民宿舎・かじか荘の支配人の小野崎一さんが立ち上がりました。肉は末広と同じ業者から仕入れ、タレは戸川さんの娘の田村郁代さんからレシピを教わりました。

 ホルモンは定番の2種類、豚の大腸のシロとこめかみから、ほほにかけての肉のカシラがあり、かじか荘などで販売されています。

 末広のファンは全国にいて、北海道からも注文が入るなど去年(2022年)2月の販売から1年間で1千個が売れたといいます。

 懐かしの味の商品化を喜ぶ人は多く小野崎さんは食を通じて過疎化が進む足尾の活性化につなげたいと話します。

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