川崎市立看護大学に大学院新設 2025年4月開学目指す 高度な看護職人材や研究者養成へ

2022年4月に開学した川崎市幸区小倉の市立看護大のキャンパス(川崎市提供)

 高齢化社会で複雑化する地域の医療や介護などの変化を見据え川崎市は、市立看護大学(幸区)に大学院を新設する。基本計画案を公表した。各地域ごとに医療や介護の多様な専門職、施設、支援策が連携して対応する「地域包括ケアシステム」の実効性を高める人材を輩出する狙い。2025年4月の開学を目指す。

 市は昨年4月に開学した市立看護大で担い手を輩出する一方、地域でのケアシステムを確実に機能させるため、大学院でさらに高度な看護職人材や研究者を養成する方針だ。担当者は「より専門性を高め、一人一人の質を引き上げたい」と話した。

 市によると、本年度中に文部科学省に大学院の設置許可を申請する見通し。新設予定の大学院研究科には、三つの専攻を検討する。

 地域や医療機関、施設における小児から高齢者までの横断的な看護の実践方法などを学ぶ「地域包括ケア専攻」(仮称)と、看護援助や患者家族の支援方法などを学ぶ「基盤看護学専攻」(仮称)を設ける。

 「助産師専攻」(仮称)の設置も検討する。出産を担うだけでなく、妊娠時の心身の変化に対する支援方法など幅広く専門知識を取得させる。

© 株式会社神奈川新聞社