「湘南アイパーク発」がけん引 藤沢市のふるさと納税 「がんリスク検査」4カ月で4千万円突破

医療健康分野の100社・機関が入居する湘南アイパーク=藤沢市

 神奈川県藤沢市に立地する医療・健康分野の研究開発拠点、湘南アイパーク発のイノベーションが、同市のふるさと納税をけん引している。2022年11月、生物診断による世界初のがんのリスク早期発見サービスを返礼品にしたところ、寄付額は4カ月余りで4千万円を突破。同年度の寄付総額を19年度の倍の約2億2千万円に押し上げた。さらなる寄付拡大の起爆剤にと、市は6日から新サービスを返礼品に追加した。

 同市のふるさと納税の呼び水となったのは、同パークに研究開発拠点を置くHIROTSUバイオサイエンス(本社・東京都)が開発したがんリスク検査サービス「N─NOSE(エヌノーズ)®」。

 同社は、15種類のがん種に反応する体長1ミリ程度の線虫という生き物を活用した検査方法を開発。検査キットを使えば、自宅で尿を取るだけでがん発症のリスクを調べることができる。20年1月の実用化以降、40万人以上が受検した。

 市は22年11月、返礼品に同サービスを採用。「簡単、高精度、安価」といった点がふるさと納税サイト「ふるなび」で評判となり、寄付額は22年度4140万円に達し、同年度に用意した返礼品の寄付額で断トツの1位に。23年度に入ってからの2カ月分を加えると、約4900万円に上る。

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