トラブル続出も総理に立ち止まる姿勢全くなし

 日本共産党の田村智子参院議員は12日の参院決算委員会で、マイナンバーカードを巡り相次ぐトラブルを踏まえ「立ち止まる決断をしていただきたい」と岸田文雄総理に強く求めた。

 田村氏は公金受取口座が別人の口座に紐づけられ、医療保険証が他人のマイナカードに紐づけられるなど、マイナカードを巡るトラブルが後をたたないとし「今、国民が安心してマイナカードを使える状況と思うか、一端、運用を止め、問題解決に集中する決断が必要だ」と質した。

 またこのまま突き進めば「不信と現場への負担が増えるだけ」と警鐘を鳴らした。加えて、そもそもマイナカードは任意のもの。そこに半ば強制的に健康保険証を紐づけると歪め、個人情報保護への真剣な取組みもないと問題提起した。

 これに岸田総理は「医療保険のオンライン資格確認の誤登録については新たな誤登録事案の防止策や登録されたデータの総点検により正確な登録の徹底を図っていく。健康保険証の廃止に様々な意見のあることは承知しているが、マイナカードを健康保険証として利用することで様々なメリットがある」とメリットを強調。

 そのうえで「健康保険証の廃止時期は来年秋に設定している。国民の不安をひとつひとつ解消しながらメリットを実現することが重要と考えている」などと答弁し、今後もマイナカードの普及、健康保険証との紐づけ、公金受取口座との紐づけを進める考えを示した。

 「進めるにあたって、国民の信頼が重要ということは言うまでもない。信頼と個人情報保護への取組みをしっかり行っていく」と述べたが、立ち止まる考えは全くないことを浮き彫りにした。(編集担当:森高龍二)

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