CL準優勝のインテル、インザーギ監督がチャン会長に不満…チーム強化を巡る方向性に食い違い

[写真:Getty Images]

インテルのシモーネ・インザーギ監督が、スティーブン・チャン会長の方針に不満を抱いているようだ。イタリア『カルチョメルカート』が伝えている。

チャンピオンズリーグ(CL)で準優勝したインテル。13年ぶりの決勝戦はマンチェスター・シティに0-1で惜敗したが、上層部はこの成果をポジティブに受け止め、スカッドの強化を図る今夏の移籍市場に向け、これから動きを本格化させるという。

しかし、インザーギ監督とチャン会長の間には、補強方針を巡って少しばかりの緊張が生じている模様だ。

その要因のひとつが、ラツィオのセルビア代表MFセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチ(28)。指揮官はラツィオ時代に指導した教え子の獲得を望んでおり、すでに両者の間では口頭合意を取り付けているとされている。

一方、チャン会長ら上層部にとって、ミリンコビッチ=サビッチの獲得は至難の業。国内カップ戦2冠に加えてCLでも準優勝したことで、財政が大幅に改善されたと報じられるが、ラツィオのクラウディオ・ロティート会長がミリンコビッチ=サビッチを易々と手放すなどとは到底考えられない事実がある。

ミリンコビッチ=サビッチの獲得に動くとしても、その場合はクロアチア代表MFマルセロ・ブロゾビッチ(30)の売却が前提になるとのことだ。

また、インザーギ監督は元カメルーン代表GKアンドレ・オナナ(27)をはじめとする主軸選手たちを手元に残し続けたいようだが、チャン会長は好条件のオファーが届けば売却をいとわず。オナナ獲得を狙うチェルシーとのクラブ間交渉がすでに始まっており、退団の可能性は排除できない。

信頼する選手の獲得と慰留を望む指揮官、ビジネスの側面を重視する上層部。意見の食い違いが生じるのは致し方なく、インザーギ監督とチャン会長の関係性も確執と呼ぶほどではないという。

そのため、最高経営責任者(CEO)のジュゼッペ・マロッタ氏は、近いうちにインザーギ監督へ契約延長オファーを提示するとみられている。

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