伝説のジャパニーズスタンダードを再び セイコー「キングセイコー」

ビジネススタイルがいくらカジュアル化しても、フォーマルなスタイルがなくなることはない。だから大人のワードローブには、シンプルなスタンダードウォッチは欠かせない。今回は、伝説のジャパニーズスタンダードウォッチ「キングセイコー」の最新モデルを紹介する。

1960年代前半は、日本の機械式時計の技術レベルがお手本としてきたスイス時計と肩を並べた時代だった。セイコーをはじめ日本の時計メーカーは1970年代にクォーツ式時計で世界を席巻したが、実は1960年代後半には、機械式でもスイスを凌駕する世界最高峰のレベルに到達していたことはあまり知られていない。

そして、このハイレベルな技術力から生まれたのが、1960年に初代モデルが発売された「グランドセイコー」と、翌1961年に初代モデルが発売された「キングセイコー」である。やがて「最高峰のグランド」と「それより身近なキング」という商品&価格戦略が採用されるが、実は両者の技術は遜色ないレベルにある。ヴィンテージウォッチの世界では、より手頃な価格で手に入ることもあり、キングセイコーにも熱烈なファンがいる。

2022年2月には、グランドセイコーと並ぶ1960年代の名作キングセイコーを、現代の技術で約半世紀ぶりに「新たなスタンダードウォッチ」として復活させた。

2022年2月に発売された復活第1号モデル「SDKS001」のディテール。現代の技術と最新の素材でオリジナルをはるかに超えるクオリティを実現している

「グランドセイコー」の機械式が「9S系」という専用ムーブメントを使うのに対して、「キングセイコー」は「セイコー プレザージュ」や「セイコー プロスペックス」にも搭載される「6R系」や「6L系」を採用することで、より身近な価格を実現。しかしケースや文字盤、新開発の多列ブレスレットなどの造り込みは、価格をはるかに超えたクオリティで、かつてのキングセイコーの魅力を失うことなく復元した。

最新モデルは、“KSK”という通称で呼ばれキングセイコーの存在を不動のものにした2代目モデル(1965年誕生)を基本デザインに、最新の薄型ムーブメント「6L系」を組み合わせたもの。ケース厚は自動巻きながら、手巻きのオリジナルよりも0.2㎜薄い10.7㎜とし、ディテールの仕上げも、現代の素材と技術でオリジナルをはるかに超えるクオリティへと進化させている。

フォーマルやセミフォーマル、スーツスタイルにフィットするスタンダードウォッチをお探しなら、このジャパニーズスタンダードな一本を選択肢に加えてみてはいかがだろうか。

SEIKO / セイコー
キングセイコー (Ref.SDKA005シルバー文字盤, Ref. SDKA007黒文字盤) 各41万8000円(税込)、7月8日発売予定

SPEC

  • ケース径:38.6㎜
  • 自動巻き、SSケース & ブレスレット、日常生活用強化防水(5気圧)

セイコーウオッチお客様相談室

  • フルーダイヤル:0120-061-012

Text : Yasuhito Shibuya

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