難病の子たちを花火で笑顔に 湘南学院高の生徒5人が企画 9月に横浜で打ち上げへ 「幸せな時間を過ごして」

横浜こどもホスピスで花火を打ち上げる湘南学院Night Flowersの(左から)石原さん、佐藤さん、木内さん=湘南学院高校

 小児がんや難病など命を脅かす病気と向き合う子どもたちを、打ち上げ花火で笑顔にしたいと高校生有志が準備を進めている。きっかけはホスピスを利用する子どもの「花火を見てみたい」の一言。メンバーは「幸せな時間を過ごしてもらえるよう全力を尽くしたい」と意気込んでいる。

 企画しているのは、湘南学院高校(横須賀市)の2年生5人。横浜市金沢区の「横浜こどもホスピス」で9月2日、同施設を利用する子どもたちとその家族、医療従事者を招いて、約10分間花火を打ち上げる。

 構想が生まれたのは昨年秋。佐藤結茉さん(16)は長年作文指導を受けている松崎雅美さんから、同施設で開いたチャリティーイベントの話を聞いた。

 「花火を見たいと話す子がいたんだよね」-。松崎さんの言葉を聞いて脳裏に浮かんだのは、学校の文化祭で見た打ち上げ花火。同校には花火師の資格を持つ安部英次講師がおり、毎年の文化祭で花火を打ち上げている。担任を通じて安部講師に協力を依頼すると、快諾してもらえた。

 佐藤さんは施設の代表理事である田川尚登さんに会って話を聞いたほか、報道などを通じて「こどもホスピス」の勉強を重ねた。ニュースに登場するホスピスを利用する子どもたちの姿に心を打たれた。「最初はふわっと考えていた企画だったけど、絶対に成功させたいという気持ちに変わった」。クラスメート4人とともにチームを結成し、夜空に花を咲かそうと「湘南学院Night Flowers」と名付け、クラウドファンディング(CF)の準備などを進めてきた。

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