意外な結果? ファンの6割以上がVARに「NO!」

写真:導入前から一転、各所から批判を浴びているVAR ©Getty Images

イングランドサッカーファンを対象に実施したアンケートの結果、サポーターのほぼ3分の2がVARシステムの活用に反対していることが分かった。イギリス『BBC』電子版が伝えている。

イングランドではVARが導入される前の2017年、フットボールサポーター協会(FSA)がVAR導入の是非を問うアンケートを行った。そして、この時は回答者の74.6パーセントが導入を支持していることが判明していた。

しかし今年3月から4月にかけてFSAが全国サポーター調査を行い、9645人のファンから回答を得て統計を取ったところ、以下のような傾向が判明した。

VARに「絶対賛成」あるいは「ある程度賛成」と答えたのは、全体のわずか26.8パーセント。試合観戦者の中でVARの経験を「非常に良い」あるいは「良い」と評価したのはわずか5.5パーセントで、テレビ観戦者の64.5パーセントはVARの経験を「非常に悪い」または「悪い」と回答した。

また、調査対象者のおよそ92パーセントはVAR介入から決定が下されるまでの時間について「時間がかかりすぎる」と回答しており、ピッチ上の審判団とVARの間でどのような会話がなされているかが公にされるべきだと感じているファンは80パーセントに上ることが分かった。

2022-23シーズンのプレミアリーグでは、VARの正当性について各クラブの監督や選手、そして専門家から何度も疑問視され、批判されてきた。そこでプレミアリーグは今年5月、2022-23シーズンの6つの試合から、審判団とVARが交信している音声を初めて公開した。

かつてプレミアリーグなどで主審を務め、2022年8月からイングランドプロ審判協会(PGMOL)の最高責任者を務めるハワード・ウェブ氏は音声公開とほぼ同じタイミングで『スカイスポーツ』の番組に出演し、これらの音声について言及。「VARとのやり取りの音声を公開することは、判定をより明確にし、見ている人に納得してもらうための“小さな一歩”になり得る」と語っていた。

何かと物議を醸しているVAR。今後はその透明性や機能性に改善が見られるだろうか。

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