近年、いろんなロッドメーカーから「硬めのソリッドティップ」を搭載したベイトタックルが登場している。その機能と役割、モデルごとの個性を深堀りしてみよう。今回は江口俊介さんにグラディエーター・マキシマムのソリッドティップモデルについて触れてもらった。
●文:ルアーマガジン編集部
江口俊介さんのプロフィール
― 江口俊介(えぐち・しゅんすけ)
1980年千葉県出身。十代のころからNBCトーナメントで頭角を現す。スモラバなどのフィネスを得意とし、JBトップ50で通算5勝を記録。2021年にフルタイムのトーナメンターを引退、現在はレイドジャパンで製品開発に勤しむ。
「『違和感』を与えないフィネスゲームの必須アイテム」
小技を効かせやすい、というのが僕にとってソリッドティップを使ういちばんの理由です。
「THE BISHOP」はいろんなリグで使うんですけど、たとえばエグダマを吊るして誘う場合を例に挙げましょうか。霞ヶ浦水系のカバーなんかだと、パワーフィネスよりもベイトタックルのほうがやりやすい。近距離だし、キャスト精度のほうが求められるので。
そういったシチュエーションで枝に吊るして繊細にシェイクするときは、やっぱりソリッドティップのほうが適しています。
ルアーを同じようにアクションさせるだけならチューブラーでも、まぁやれなくはないんですが、食ったときに魚に与える「違和感」が圧倒的に違います。吊るしでは基本的にラインが張った状態になるので、しなやかに追随してくれるソリッドのほうが吐かれにくい。ショートバイトでも弾きにくい。
瞬テキをやるときも、パンパン! とシャクったあとのフォールやポーズ中に、明確なバイトは出ないけど食ってる、みたいなことがあって、そういうケースでもソリッドティップのほうがミスが減りますね。
弱点があるとすれば、岩系のストラクチャーをねらうとき。食い込みのよさは「スタックのしやすさ」でもあるので、シンカーが挟まりやすくなることもある、という点は理解しておいてください。
性格の異なる2本のソリッドティップ
― グラディエーター・マキシマム GX-67MHC-ST「THE BISHOP」(レイドジャパン)
江口さんがプロデュースした撃ちモノ系のスペシャルな1本。違和感を与えずに食い込ませつつ、強靭なベリー&バット部で瞬時に掛けるための設計だ。
グラディエーター・マキシマム GX-67MHC-ST(レイドジャパン)
グラディエーター・マキシマムのもうひとつのソリッドティップ、「THE MAXX」はまた性格の違うモデルです。金森隆志の作ったロッドなので、オカッパリでこれ一本でなんでもやれちゃう、みたいなことを想定している。
表記こそ「70H」ですが、ソリッドティップの恩恵で軽めのルアーや巻きモノまで使いやすくなっています。
― グラディエーター・マキシマム GX-70HC-ST「THE MAXX」(レイドジャパン)
ヘビークラスのカバーロッドに、繊細なソリッドティップをかけ合わせた対応幅の広い1本。
グラディエーター・マキシマム GX-70HC-ST(レイドジャパン)
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