ワインを言葉で表現するための4ステップと判断基準とは!?【一生に一冊はもっておきたいワインの教科書】

ワインを言葉で表現する

テイスティングの極意は、感じたことや香り、味わい、風味を言葉にすることにある。探偵になった気分でワインを観察し、香りを感じ、味わって、ヒントを探しながらテイスティングを進めていこう。さあ、あなたの調査はどんなふうに展開するのだろう?

ワインを言葉で表現するためのステップ

【1】ワインを眺める

まずは目で判断。透明? にごっている? 輝きがある?涙や泡がある? どんな色?色の濃さは?

【2】鼻で香りを感じる

アロマの濃さは弱い?強い?特別な香りが感じられる?どんな系統のアロマ?

【3】舌で味わう

口に含むと、甘味が感じられる? だ液を分ぴつさせる酸味が感じられる?口のなかがきゅっと引き締まるような、収斂性(しゅうれんせい)を感じさせるタンニンのレベルは?ボディが感じられる? どんな系統のアロマが感じられる? アロマは持続する?

【4】ワインを評価する

3つの調査の結果、すべての判断材料がそろったはず。ワインのクオリティはどうだった?今、飲むべき? それとも待つべき? 長期熟成のポテンシャルは? 熟成すると複雑になる? コストパフォーマンスは? ワインの評判や希少性とあっている?

ワインの判断基準

ワインを見る

透明度

透明感がある にごっている

光沢

輝きがある くすんでいる

色の濃さ

淡い 中くらい 濃い

白ワイン

レモンイエロー ゴールドイエロー 琥珀のような黄色

ロゼワイン

ピンク色 オレンジ色がかっている

赤ワイン

紫 ルビー色 ガーネット色 マホガニー色

そのほか

涙 泡

ワインの香りを感じる

アロマの濃さ

弱い 中くらい 強い

アロマ

フルーティー フローラル 植物系 スパイシー そのほか

ワインを味わう

甘味

辛口 中辛口 中甘口 甘口

酸味

弱い 中くらい 強い

タンニン

弱い 中くらい 強い

ボディ

弱い 中くらい 強い

口で感じられるアロマ

フルーティー フローラル 植物系 スパイシー そのほか

アロマの持続

短い 中くらい 長い

ワインを評価する

クオリティ

低 可 すぐれている とてもすぐれている 最高

長期熟成のポテンシャル

長期熟成向きではなく今飲むべき 今飲んでもよいが長期熟成も可 長期熟成すべき 飲みごろをすぎている

価格

手ごろ 高コストパフォーマンス 可 高い 高すぎる

料理との組みあわせ

よいマッチング 可 変更したほうがよい

『エコール・デ・ヴァン・エ・スピリテューの一生に一冊はもっておきたいワインの教科書』はこんな人におすすめ!

・本場フランスのワイン専門学校からワインを詳しく学びたい ・楽しみながらワインの知識を身につけたい! ・世界各国のワインを知りたい!
と感じている方には大変おすすめな本です。

パリで人気のワイン専門学校からお届け!専門家である講師たちはワイン醸造とテイスティングの資格をもち、フランス国内外で豊かな経験を積み、指導者としてもすぐれています。基本からあらゆるワインの紹介までをまとめた、いわば集大成。パリの授業をまるごとお届けします。

世界中のワインの紹介と、学んだことを実践的に修得できるテイスティングレッスン&テストも掲載!

エコール・デ・ヴァン・スピリテューはワインの本場、フランス・パリに本拠を置く人気のワイン専門学校です。体系的メソッドにもとづくグランド・テイスティングコースから生まれた本書では、ワインの特徴や、クオリティが生まれる仕組みも図解だからとってもわかりやすく、ワインをはじめて学ぶ初心者さんにも優しい内容です。

気になる中身を少しだけご紹介!ワインのスタイルによってブドウの収穫タイミングが変わる!手摘みと機械の収穫ではどう違うのか?

収穫に適した最良のタイミングって?夜間収穫もある?

ブドウが熟したら、収穫のはじまりだ。収穫は手摘み、または機械で行う。開花してから100日ほどで収穫に入るが、ブドウの成熟度と目標とするワインのスタイルによって、収穫のタイミングを決める。収穫日の決定は難しく、責任重大だ。はやすぎると、実が酸っぱく、糖分の含有量も低い。遅すぎれば、過度に成熟して酸味が足りず、糖度がごく高くなるほか、灰色カビ病に感染するリスクもある。栽培者は時間をかけて天気予報をチェックし、ベストなタイミングを見きわめる。

手作業で収穫するのは負担が重く、時間もかかるが、格の高いアペラシオンや、アクセスしにくいブドウ畑や丘陵、特殊な醸造法を必要とするブドウでは手摘みがふつうだ。たとえば、極甘口ワインに用いる貴腐菌ボトリティス・シネレアのついたブドウは、手摘みと決まっている。シャンパーニュなど一部のアペラシオンの規定でも、収穫は手摘みとされている。手摘みには、摘む人と運ぶ人のチームワークが重要だ。摘む人は剪定ばさみで注意深く房を切り、ケースなどに入れる。運ぶ人は背負いカゴにブドウを入れて列の端まで運び、ケースなどに入れる。ケースならそのままトレーラーに乗せて、醸造所まで運んでいける。

新鮮さを保つため、月と星の明かりのもとライトをつけながら収穫することを夜間収穫という。冷気がブドウの酸化を防ぎ、実に含まれるフレッシュさやフローラルなアロマをあますところなく守ってくれるのだ。

機械収穫は手摘み収穫となにが違う?

収穫機はブドウ収穫のために設計された機械で、1回で収穫のすべての作業を行う。ブドウ樹の列をまたいで進み、振動作用を利用して作業する。機械から支柱とブドウ樹に振動を伝えることで、実がふり落とされるというわけだ。ただし、すべての品種が機械収穫に向いているわけではない。

収穫機が登場したのは1970年代。効率的に収穫できるのが強みで、実が樹になったまま腐るなどという事態を防げる。また夜間にもつかえるので、ブドウの鮮度を保ちやすい。経済面でも機械は文句なしに優秀。機械収穫されたブドウはクオリティが劣ると、まことしやかにいわれているが、新世代の機械なら、しっかり調整して準備をしておけば、抜群のはたらきをしてくれる。

世界中のワインをもっと深堀り!プロヴァンス地方のワインの魅力とは?

ロゼワインといえば、明るいピンク色が特徴だが、プロヴァンス地方のロゼワインは、洗練されたニュアンスの繊細な色あいだ。微妙な色調をあらわすのにつかわれるのは、スグリ、モモ、グレープフルーツ、メロン、マンゴー、マンダリンオレンジなどフルーツの名前だ。

南仏バンドールのワインは気候を活かして作られた!ロゼワインのピンク色はどこからくる?

バンドールのブドウ畑は、サント・ボーム山塊から地中海沿岸にかけ、自然がつくり出した石の積まれた段丘のレスタンクに広がっている。生産者たちは何世紀もかけて、丘陵を開墾してブドウ樹を植えた。海に面した南向きの畑は、年間を通してたっぷりと陽光を浴びる。バンドールの赤ワインは、おもにムールヴェードルからつくられている。ゆっくりと熟すムールヴェードルは、このアペラシオンの中心品種で、アサンブラージュの50%以上を占め、グルナッシュとサンソーをあわせてつかう。前者はボリューム感を、後者は繊細さをもたらす。ワインは長期熟成型で力強く、しっかりとした骨格で、ドライハーブやスパイスのアロマを備えている。

ロゼワインの醸造では、黒ブドウの果皮を漬け込むため、色素が果汁に溶けてピンク色になる。つまり、色はタンク内での果皮と浸漬時間、温度、ほぼ無色の果汁と果皮の接触度に左右される。現在のトレンドは淡いピンク色。ロゼワインの色とクオリティに相関関係はないが、ビジュアルは重要で、選択基準の1つにもなる。淡い色のロゼワインは、より酸が生き生きとしてアロマが豊かだ。濃い色のロゼワインには、上質なメイン料理とあう高品質のものもある。

★ワインを観察してみよう ★各種ワインの醸造法とは? ★料理との組み合わせを知ろう ★フランスだけじゃない!世界のワインとは?
などなど気になるタイトルが目白押し!

さあ、さっそくテイスティングをはじめましょう。実践重視の学校らしい、テイスティングの視点からぜひ試してほしいワインが満載です。フランスは圧巻の充実ぶり、ニューワールドもていねいに紹介します。この本が、シンプルな「好き」「嫌い」をこえてあなたのテイスティングのアプローチを新たな次元へと導いてくれるはず。

【書誌情報】
『エコール・デ・ヴァン・エ・スピリテューの一生に一冊はもっておきたいワインの教科書』
エコール・デ・ヴァン・エ・スピリテュー 著/奥山久美子 監修

エコール・デ・ヴァン・スピリテューはワインの本場、フランス・パリに本拠を置く人気のワイン専門学校。体系的メソッドにもとづくグランド・テイスティングコースから生まれた本書では、パリの授業をまるごと基本からあらゆるワインの紹介までまとめています。さあ、さっそくテイスティングをはじめましょう。実践重視の学校らしい、テイスティングの視点からぜひ試してほしいワインが満載。フランスは圧巻の充実ぶり、ニューワールドもていねいに紹介します。 すぐれたワインはなにが違う?どうやってアロマは生まれる?どうすればアロマを見きわめたり表現したりできる?ワインの特徴や、クオリティが生まれる仕組みも図解だからとってもわかりやすく、簡潔。各章末には、それまで学んだことをベースにトライできるテイスティングレッスンを用意しています。テイスティングのためのワインもしっかり紹介。学んだことが、ワインにどんな違いを生むのかあなたの舌でたのしく復習しましょう。すきま時間にぴったりのテストもあります。この本が、シンプルな「好き」「嫌い」をこえてあなたのテイスティングのアプローチを新たな次元へと導いてくれるはず。

© 株式会社日本文芸社