質の高い医療にICチップ付保険証が必要と総理

 岸田文雄総理は21日、通常国会閉会に伴う記者会見で現行の健康保険証の廃止について「我が国のデジタル化を推進し、本人の受診履歴に基づく質の高い医療を実現するとともに、医療機関、保険者を含め、効率的で持続可能な医療を実現していくためには現行の保険証を廃止し、IC(集積回路)チップつきの新たな保険証に移行する必要があると考えている」と強調した。

 デジタル化推進のため、政府は来年秋に現行の健康保険証の全面廃止を予定しているが、各種世論調査でも7割は廃止に反対。不安を感じている。岸田総理は「廃止への国民の不安を重く受け止めている。不安を払拭するための措置が完了することを大前提に取組む」とした。

 また「来年秋に廃止を予定しているが、法律に規定されている通り、その後、最大1年間、2025年秋まで、猶予期間として発行済み保険証を使えることとしている」と述べ「この期間を活用し、国民の不安を払拭していく」と猶予期間も含め、25年秋までに国民の不安を払拭できるように努めるとした。

 岸田総理は国民の不安を払しょくするため「来年秋までにデータの総点検と修正作業、窓口負担の取扱いなど窓口対応の円滑化、マイナンバーカードや資格確認書の取扱い環境の整備、これらの措置を完了させる」とした。(編集担当:森高龍二)

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