シングルマザーになった途端、乳がんが発覚 「挑んでいる姿は美しい」乳がん経験者専門フォトサービスを始める

乳がん患者専門フォトサービス『UNVEIL(アンベール)』は病に挑んでいる(きた)乳がん患者が、外見の変化があっても自身を受け入れる”決意表明”にもつながる『生きるチカラフォト』をお届けすることを目指しています。UNVEILは今年の秋ごろのサービス開始を目指し、7月中旬まで

摘出手術後、傷跡を見て…

しかし、自分で決断して摘出手術を行ったものの、お風呂のたびに体に残っている傷跡を見ると複雑な気持ちに…
そんなとき、公私ともにお世話になっているカメラマンから「写真を撮ってあげる」との誘いを受けました。米澤さんによると、摘出手術をする術前の写真を撮る女性は多いですが、術後の写真を撮る女性はまだ国内では少ないといいます。最初は抵抗があったものの、術後の体を撮ってもらったことで前向きに考えられるようになりました。
「写真を見て、自分の新しい体を受け入れる決意が出来たんです。容姿が変わろうと、心持ちひとつで幸せじゃないか。体に傷があろうと心まで病を冒すことはもう辞めようと、この写真のおかげで前を進むことができました」

そして、同じ乳がんサバイバーとして闘っている方々にできることを考えたときに、写真を通じて生きる力をお届けすることに尽きるのではないかと思い、このフォトサービスを思いつきます。
写真には力があると話す米澤さん。「自分を勇気づけてくれるのは自分なので、自分からパワーをもらうのがいちばん。今でもたまに友人たちと旅行に行った時に自分だけ温泉に入れず寂しい思いをすることもありましたが、写真を見ると『私の体がんばったじゃない!』と、自分に応援される気持ちになれます」

実際に乳がんの治療がすべて終わった女性の撮影をした際、その女性は自分の写真を見て「あぁ、私達成したな…!頑張ったな」と自分へのねぎらいになったと話していたそうです。UNVEILの撮影は、乳がんと闘った女性を前向きにさせてくれるパワーがあるのでしょう。

フラワーコーディネーターとして活動していた米澤さん(米澤さんより提供)

米澤さんが同じ乳がんサバイバーの方に伝えたいことを聞いてみました。
「乳がんは女性特有の病気で、外見的変化が伴う病気だと思っています。手術によって胸を失ってしまったり、抗がん剤治療や放射線治療などで髪の毛が抜けてしまったり…病気の治療+心理的なストレスも加わってくると思います。しかし、外見変化があってもその人の姿は損なわれないし、挑んでいる姿は美しいと思っています。だからこそ心まで病に冒されず頑張っている自分を褒めて、新しい体を受け入れる決心を自分のタイミングでしてほしい。自分の体がどんな形でも愛して、女性としての美しさを損なわず輝き続けてほしいです。
泣きながら手術に向かう方や、術後も泣いている患者さんをたくさんみてきました。だからこそ私も少しでも力になれたらいいなと思いますし、そこを支えられる社会になってほしいと願っています」

クラウドファンディングで集まった資金は営業活動費や今後実施予定である撮影会、写真展で使用していきます。すでに乳がん患者から「撮ってほしい」と声をかけられることも。

「写真展では乳がん患者のだけでなく、乳がんになったことがない方や男性の方にも乳がんと闘ってきた女性の美しい姿を見てほしいです。女性を応援する社会貢献活動として応援していただきたい」
乳がんサバイバーだったからこそ、今度は自分が力になりたいという米澤さん。思いを語る米澤さんは、とても輝いて見えました。

ほ・とせなNEWS編集部

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