那須町の雪崩事故刑事裁判 当時講習会参加の生徒が証言

 那須町で登山講習中だった大田原高校の生徒と教諭合わせて8人が雪崩に巻き込まれて死亡した事故で、業務上過失致死傷の罪に問われている講習会の責任者だった教諭3人の裁判が23日、宇都宮地方裁判所で開かれ、証人尋問で講習会に参加した生徒らが訓練の範囲など具体的な説明はなかったと証言しました。

 業務上過失致死傷の罪に問われているのは当時の講習会の責任者の猪瀬修一被告57歳と8人が亡くなった大田原高校の班を引率していた菅又久雄被告54歳、それに後続の班を引率していた渡辺浩典被告60歳の3人の教諭です。

 裁判では雪崩を予見できたかなどが争われています。

 23日の証人尋問では雪崩があった当時、先頭で山の斜面を登っていた大田原高校の山岳部員だった男性3人が証言台に立ちました。

 裁判で弁護側は当時の積雪が15センチほどと主張していますが男性らは30センチから40センチあったと証言しました。また積雪のため訓練の内容がラッセル訓練に変更になりましたが引率の教諭などから訓練する範囲や終了時間など具体的な説明がなかったと話しました。

 班の先頭付近を歩いていた男性は、雪崩が発生する直前に先に進みたいと引率の菅又被告に伝え、許可を得て進んだと述べました。一方で菅又被告から訓練の途中で「引き返せ」や「戻れ」といった指示があったかの問いには記憶がないと答えていました。

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