松山英樹 マキロイに食らいつく「今日はアドレナリンが出て飛んでいた」

4番のティショット。いい当たりに表情も締まる(撮影/服部謙二郎)

◇米国男子◇トラベラーズ選手権 最終日(25日)◇TPCリバーハイランド(コネチカット州)◇6852yd(パー70)

汗ばむ陽気となった日曜日の午後。松山英樹は通算12アンダー15位で並ぶロリー・マキロイ(北アイルランド)と同組で回り、大勢のギャラリーを引き連れていた。

松山は1番、アイアンショットをグリーン左奥にこぼし、難しいアプローチを寄せられずボギー。2番でバーディを奪ったマキロイに差を広げられた。しかし、3番で2打目を3mにつけ、バーディを奪取。ショットが絶好調のマキロイは4番から4連続バーディ、トップを走るキーガン・ブラッドリーに5打差まで迫るが、松山も7、9番をバーディとした。

最終日はロリー・マキロイとラウンド。会話するシーンも多かった(撮影/服部謙二郎)

「ロリー(マキロイ)と回ってもっとバタバタとするかと思ったけど、まとめられてよかった」。前半でスコアを2つ伸ばした松山は、後半出だし10、11番でグリーンを外したが、しぶとくパーを拾った。14番では11mのロングパットを決めて、短いパー4の15番は「今日は強いタッチもあったけど、短いパットも多く外すわけではなくできたのも良かった」と、入れ頃外し頃の3m弱を沈め、連続バーディとした。終わってみれば、5バーディ、1ボギーの「66」で通算16アンダー13位。通算18アンダー7位のマキロイを追い、最低限の結果を出した。

本調子でないながらもマキロイに食らいついた一日。「そうですね。それができたのは少しは収穫ですけど、それでもトップ10に入れないので悔しいです。それが今の自分のレベルというか、そんな状態ですかね」。トップを走り続けてきた男だけに、やはり優勝争いに絡めない現状に満足はできない。

11番のティショット。この日のアイアンは距離感ぴったり(撮影/服部謙二郎)

それでも納得のいくショットもあった。「いまやれるいっぱいいっぱいですよ。今日はアドレナリンが出て飛んでいたし」。課題にしていたアイアンの距離感はピッタリで、ピンハイまで攻めてバーディパットを打つシーンが多かった。17、18番の上がり2ホールも、ともに5m以内につけた。最後までピンを攻め続けた。「これが普通の状態で、初日、2日目もあれぐらい飛んでくれればもっと楽にプレーができると思うけど、それを来週やっていってどうなるか…という感じです」。目線はすでに次の試合に向けられていた。

7番残り101ydを1.5mに寄せてバーディ(撮影/服部謙二郎)

連戦の松山は29日開幕の「ロケットモーゲージクラシック」出場のため、コネチカットからデトロイトへ直行。「続けていって、今できないことを、しっかりやっていけるようにしていけたら、いい結果になるかなと」。シーズン終盤へ。休む間もなく、プレーオフシリーズまで突っ走る。(コネチカット州ハートフォード/服部謙二郎)

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