【データで見える最強選手③】配球を考える余地を与えないテンポの良さで打者を翻弄!

現代のベースボールを語るうえで欠かせないのがデータ。膨大なデータを使えば、あらゆる事実が見えてくる。今回は、今季から導入されたピッチクロックで好投する投手、苦心している投手を探る。

投手は捕手からボールを受け取ってから、走者がいなければ15秒、走者がいれば20秒以内に投球動作を開始しなければならない。時間を過ぎるとボールカウントが追加される。このピッチクロック導入で、試合時間は昨年の平均3時間3分から2時間30分程度に短縮された。

ピッチテンポ TOP5(100投球以上、無走者/有走者、単位秒)
➀ブレント・スーター(ロッキーズ) 11.5/16.8
②タイワン・ウォーカー(フィリーズ) 11.7/16.0
③レイバー・サンマルティン(レッズ) 11.7/18.1
④ウェイド・マイリー(ブリュワーズ) 11.7/14.6
⑤ミッチ・ケラー(パイレーツ) 11.8/17.5

これは、1人の打者に対しての投球から次の投球までの間隔を数値化したものなので、そのままピッチクロックに当てはまるものではないが、元々テンポが速い投手は時間制限に対して影響は少なく、このルールを歓迎しているかもしれない。

1位のスーターは31試合に登板して4勝0敗2ホールド、防御率2.81は自己ベスト。先発投手でトップのウォーカーも現在8勝3敗と好投を見せている。

そうなると気になるのが、テンポの遅い投手。真っ先に思い浮かぶのは、「ゆりかご投法」でのらりくらりと打者のタイミングを外し、2022年には15勝を挙げてチームの世界一に貢献したルイス・ガルシアだろう。

ピッチテンポ WORST3
➀ルイス・ガルシア(アストロズ) 18.5/21.4
②アレック・マノア(レイズ) 18.0/21.0
③スティーブン・ウィルソン(パドレス) 17.8/22.1

ガルシアの2022年の無走者での間隔は21.1秒だったので、改善されているが、6試合で2勝2敗、防御率4.00で、現在は右肘の故障で長期離脱している。「ピッチングニンジャ」こと投球アナリストのロブ・フリードマン氏が自身のSNSで投球の違いを投稿しているが、迫力不足の感は否めない。

Luis Garcia, New Windup vs. Old Windup. pic.twitter.com/JLYD1U6ZyG

— Rob Friedman (@PitchingNinja) February 28, 2023

ピッチクロック違反(Pitch Timer Violation)もテンポが関係し、違反回数の1位は、今季通算400セーブを達成したクレイグ・キンブレル(フィリーズ)の9回。今季は75球で17.8/19.1とテンポは遅い。

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