【連載コラム】第18回:若手有望株の登竜門「フューチャーズ・ゲーム」 未来のスターはここから生まれる!

写真:2022年度にロサンゼルスで行われたフューチャーズ・ゲーム @Getty Images

日本時間6月27日、若手有望株の登竜門とも言うべき「フューチャーズ・ゲーム」の出場メンバーが発表されました。オールスター・ウィークのイベントの1つとして開催されるこの試合は、簡単に言えば「全30球団のプロスペクト(若手有望株)のショーケース」です。メジャーのアクティブ・ロースターに登録されている選手は出場できませんが、各球団のマイナーにいる有望株たちが階級に関係なく集められ、ア・リーグとナ・リーグに分かれて戦います。現在メジャーで活躍しているスーパースターのなかにも「フューチャーズ・ゲーム」を経験している選手は非常に多く、次代のスーパースターは「フューチャーズ・ゲーム」から生まれると言っても過言ではないでしょう。

写真:大谷の同僚であるエンゼルスのマイク・トラウトもフューチャーズ・ゲーム経験者 @Getty Images

総合指標WARのランキングを見てみると、通算WARの現役トップ10のうち、マイク・トラウト(2010年と2011年)、クレイトン・カーショウ(2007年)、ジャスティン・バーランダー(2005年)、ザック・グレインキー(2003年)、ミゲル・カブレラ(2001年と2002年)、ジョーイ・ボットー(2006年と2007年)、ポール・ゴールドシュミット(2011年)、エバン・ロンゴリア(2007年)の8人が「フューチャーズ・ゲーム」を経験しています。トップ20まで範囲を広げると、マニー・マチャド(2011年と2012年)、ノーラン・アレナド(2011年と2012年)、アンドリュー・マカッチェン(2008年)、ホセ・アルトゥーベ(2011年)、アダム・ウェインライト(2002年)、ジャンカルロ・スタントン(2009年)も加わり、20人中14人となります。このほか、ブライス・ハーパー(2011年)やアーロン・ジャッジ(2015年)らも「フューチャーズ・ゲーム」を経験しており、次代のスーパースターが「フューチャーズ・ゲーム」から生まれるというのは決して誇大広告でないことがわかります。

1999年にスタートした「フューチャーズ・ゲーム」は当初、米国選抜(米国出身の選手)と世界選抜(米国以外出身の選手)に分かれて試合を行っていましたが、20周年の節目を迎え、21度目の開催となった2019年からア・リーグ対ナ・リーグの組み合わせになりました。また、このタイミングで9イニング制から7イニング制に変更され、7回を終えて同点だった場合は、無死2塁から1イニングだけタイブレーク形式の延長戦を行うことになっています(タイブレークの1イニングが終了した時点で同点だった場合は引き分け)。

初めてア・リーグ対ナ・リーグの組み合わせで開催された2019年はワンダー・フランコ(レイズ)、ルイス・ロバートJr.(ホワイトソックス)、デビン・ウィリアムス(ブリュワーズ)らが出場。2020年は新型コロナウイルスのパンデミックの影響で中止となりましたが、2021年はボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)、フリオ・ロドリゲス(マリナーズ)、アドリー・ラッチマン(オリオールズ)、リード・デトマーズ(エンゼルス)、マイケル・ハリス2世(ブレーブス)ら豪華メンバーが出場しました。昨年の出場メンバーのなかにはコービン・キャロル(ダイヤモンドバックス)、ガナー・ヘンダーソン(オリオールズ)、エリー・デラクルーズ(レッズ)、エウリー・ペレス(マーリンズ)、フランシスコ・アルバレス(メッツ)、ローガン・オホッピー(エンゼルス)、ジョーダン・ウォーカー(カージナルス)など、今季すでにメジャーで活躍している選手たちの名前も含まれています。

写真:オリオールズの有望株ジャクソン・ホリデイ @Getty Images

今年は昨年のドラフト全体1位で指名されたジャクソン・ホリデイ(オリオールズ)が早くも登場。ホリデイを筆頭に、次代のスーパースター候補生たちがどんなプレーを見せてくれるか楽しみです。

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