韓国大学生ら長崎訪問4年ぶり 原爆資料館など見学 被爆の実相など学ぶ

韓国人原爆犠牲者慰霊碑の前で黙とうをささげる学生=長崎市平野町

 韓国の大学生ら約80人が28日、長崎県長崎市の長崎原爆資料館や韓国人原爆犠牲者慰霊碑などを訪れ、被爆体験に耳を傾けた。外務省の対日理解促進交流プログラム「JENESYS」の一環で、長崎訪問は4年ぶり。
 学生らは資料館を見学した後、被爆者の丸田和男さん(91)の講話を聞いた。丸田さんは13歳のとき、爆心地から1.3キロの銭座町の自宅で被爆。爆風で家の下敷きになり、今も背中に約50カ所のガラス片の傷跡が残り、母や同級生が亡くなったと語った。丸田さんは「原爆で命を奪われた友人たちを思うと、78年たった今も痛恨の思いは少しも消えない」と訴え、学生らはメモを取るなどして真剣に聞き入っていた。
 ペク・クンウさん(24)は「今回の講話を聞き、身に染みて平和の重要さを感じた」と話した。この後、学生らは韓国人原爆犠牲者慰霊碑を訪れ、黙とうをささげた。
 一行は25日来日。27日から長崎市に滞在し、29日は長崎県内の大学生と交流。他県も視察して7月1日に離日する。

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