ヴァージン・ギャラクティックが同社初の商業宇宙飛行に成功 8月以降は毎月飛行予定

米宇宙企業ヴァージン・ギャラクティックは2023年6月30日未明(日本時間・以下同様)、宇宙船「スペースシップツー “VSS Unity”」による同社初の商業宇宙飛行ミッション「Galactic 01(G01)」を実施しました。6名のクルーを乗せたVSS Unityは高度80km以上の宇宙空間(※)へ到達した後に、無事地上へ帰還しています。【2023年6月30日10時】

※…国際的には高度100km以上が宇宙と定義されているが、米空軍は高度80km以上と定義している。

【▲ エンジンを点火して上昇するヴァージン・ギャラクティックの宇宙船「スペースシップ・ツー “VSS Unity”」。同社のライブ配信から引用(Credit: Virgin Galactic)】

空中発射母機「ホワイトナイトツー “VMS Eve”」に吊り下げられたVSS Unityは、2023年6月29日23時30分(米国山岳部夏時間6月29日8時30分)に米国ニューメキシコ州のスペースポート・アメリカを離陸。翌30日0時28分に高度約1万3500mで母機から切り離されると自身のエンジンで最大速度マッハ2.88まで加速・上昇し、準軌道飛行(サブオービタル飛行)を行った後の同日0時42分にスペースポート・アメリカへ着陸しました。ヴァージン・ギャラクティックによると、最高到達高度は約85.1kmとされています。

【▲ VSS Unityのキャビンでイタリア国旗を掲げるクルー。ヴァージン・ギャラクティックのライブ配信から引用(Credit: Virgin Galactic)】

前述の通り、今回のGalactic 01はヴァージン・ギャラクティック初の商業宇宙飛行となりました。乗客3名のうち2名はイタリア空軍士官、1名はイタリア学術会議(CNR)のエンジニアで、ヴァージン・ギャラクティックのインストラクター1名も同乗。VSS Unityのキャビンには13の実験装置を組み込んだラックも搭載されていて、重力の変化が人体に及ぼす影響の測定や微小重力環境下での実験が行われました。

ヴァージン・ギャラクティックのMichael Colglazier(マイケル・コルグラジア)CEOは今回のミッションについて、VSS Unityを“準軌道科学実験室”と表現しつつ、旅行者や研究者にとって繰り返し可能かつ信頼性の高い宇宙へのアクセスが可能な新時代の到来を告げるものだとコメントしています。

ヴァージン・ギャラクティックによると、次の商業宇宙飛行ミッション「Galactic 02」は2023年8月に予定されており、その後は毎月宇宙飛行を実施する予定だということです。

【▲ ヴァージン・ギャラクティックによるGalactic 01ミッションのライブ配信アーカイブ】
(Credit: Virgin Galactic)

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  • Image Credit: Virgin Galactic
  • Virgin Galactic \- Virgin Galactic Completes Inaugural Commercial Spaceflight

文/sorae編集部

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