和牛のルーツのお味は? 畜産家が小学校で出前授業 独特の牛肉文化「すごい」/岡山・津山市

岡山県津山市の中正小学校で29日、地元の畜産家による出前授業があり、5年生14人が地元の畜産家から和牛のルーツや作州地域に根付いた食肉文化について学び、和牛のルーツとされる「竹の谷蔓(つる)」の干し肉を試食した。

同市宮部上で「さくら牧場」を営む末澤雅彦さん(48)=北海道旭川市出身=が、映像や資料を見せながら家畜人工授精師・受精卵移植師として和牛の繁殖に取り組む様子を紹介。江戸時代後期の備中国釜村(現・同県新見市)が発祥とされる竹の谷蔓を飼育し、6次化として肉の販売まで手掛けていることを話した。

さらに出雲街道に面した津山藩が、古くから盛んだった牛馬市を背景に「養生食い」を許されていた歴史にふれ「独特な牛肉の食文化があり、地元に和牛の原種がいるのは誇れると思う」と強調した。

この後、家庭科室で「お肉ソムリエ」でもある末澤さんが加工し、妻の未央さん(49)が加熱調理した干し肉を全員で味わった。

藤木美維さん(10)は「津山に牛肉を食べる習慣が昔からあるのはすごいと思う。干し肉はちょっと硬かったけど、味はとてもおいしかった」と話した。

竹の谷蔓の干し肉を試食する児童たち

© 津山朝日新聞社