4ボギー後の6バーディ 藤本麻子に最長ブランクVが見えた

藤本麻子は4ボギーからカムバック。史上最長のブランクVへ(撮影/村上航)

◇国内女子◇資生堂レディスオープン 3日目(1日)◇戸塚CC西コース(神奈川)◇6605yd(パー72)◇雨(観衆4902人)

「ヤバかったです。マジで帰りたかった…」―。3位から出た3日目。最終組で回った藤本麻子はスタート前から降り続いた雨の影響もあり、1番からの7ホールで4ボギーをたたいた。「(グリーンが)重たそうに見えたので打ちすぎた。フィーリングが合っていなかった」とコンディションが変化したグリーンに苦戦した。

それでも、雨が止んだ8番(パー3)で7mのパットを沈めて1つ目のバーディを奪い、「ホッとした」。反撃が始まった。12番でもスコアを伸ばし、14番(パー3)からは6m、8m、3mのバーディパットを立て続けに決めた。最終18番も2mを着実に沈め、8番以降の11ホールで6バーディを稼いで6バーディ、4ボギー「70」にまとめた。

「キャディさんも『ここからだよ!』って励ましてくれた。『麻子ちゃんは強そうに見えてビビリだから』って。出会って1週間も経ってないのにバレちゃってますね。めっちゃ助かりました」。今週、バッグを預けているハウスキャディの竹内直子さん(52)との呼吸もピッタリだ。

通算7アンダーの首位タイに4人が並ぶ混戦で迎える最終日。優勝すれば、昨年の「樋口久子 三菱電機レディス」で金田久美子の記録を抜く、ツアー史上最長の11年231日のブランクVになる。「クミちゃんには『麻子なら塗り替えていいよ』って了承は得ているので、そこは遠慮なく行きたい」。2勝目を本気で獲りに行く。

同郷の2人。互いに言葉を掛け合いながらプレーした(撮影/村上航)

この日、藤本と同組でプレーした桑木志帆は雨の中でのプレーを「50点くらいでした」と自己採点した。フィールド最低となるフェアウェイキープ率21.43%(3/14)と、荒れてティショットがマイナス50点としたが、「でも、そこからリカバリーできた」。この日は3バーディ、2ボギーの「71」。2打目以降でスコアをまとめられた点を評価した。

同郷で13歳年上の藤本については「ミスしても絶対怒らない。感情に出さずに淡々とゴルフする。(パッティングが)1個入ったらどんどん入るし、とにかくパターが強気」と語る。「話していても優しいし、全部カッコいいです」。悪天候の中でも信頼する先輩とともにスコアを伸ばした。

桑木志帆は雨の中で「71」。初Vを目指す(撮影/村上航)

首位タイで出る最終日は、最終組の1組前から抜け出しを狙う。「(最終組は)緊張しそうじゃないですか。去年1回だけ回ったことはあるんですけど、独特の雰囲気。ちょっとずれたところで回れたほうが気持ちは楽」と初Vのお膳立てはととのった。

今季躍進を果たしたプロテスト同期の岩井明愛・千怜の活躍は少なからず意識している。「岩井姉妹がすごく目立っているので、私の存在にも気付いてもらえたら」。今週の主役の座は譲らない。(横浜市旭区/内山孝志朗)

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