ともさかりえ、ドラマ「湯遊ワンダーランド」のサウナ撮影は「耐久レースみたいな感じ(笑)」

7月15日にスタートする、真夜中ドラマ「湯遊ワンダーランド」(テレビ大阪=土曜深夜0:55・初回は深夜1:25、BSテレ東=土曜深夜0:00)の記者会見が行われ、主演のともさかりえをはじめ、須賀健太、岩井七世、樋口日奈、原作者のまんきつ氏が出席した。

ドラマの原作は、女性サウナの金字塔ともいえる、漫画家・まんきつ氏による自叙伝漫画。漫画のネタが浮かばず、悪夢に悩まされる日々を送っていた漫画家・きつこ(ともさか)はある日、弟のやっちゃん(須賀)からのサウナに行き毒を抜けという助言を受け銭湯に通い始める。銭湯を牛耳るヌシの魔の手をかいくぐり、女湯で展開されるガールズトークに耳をそば立てながら、サウナの魅力にどっぷりと漬かっていくことで、きつこの日常は次第にドライブし始める。

サウナブームとも言える現在、新たに女性に向けたサウナドラマの主役を務めることになったともさかだが、「全然サウナを知らない私がお引き受けしていいのだろうかと、最初は悶々(もんもん)としていました」と少し悩んだことを告白する。しかし、サウナドラマの火付け役でもある「サ道」(テレビ東京)に出演し、自身も熱烈なサウナーである俳優の三宅弘城に相談をしたところ、強く背中を押されたという。「きつこは『漫画が描けない!』って壁にぶち当たり、弟のやっちゃんに勧められてサウナに目覚め、どんどんサウナ愛を深めていくという作品なので、私も一緒に成長していけたらいいなと思いつつ撮影しています」と現在の思いを語った。

そんなともさかが演じるきつこについての印象を聞かれると、原作者のまんきつ氏は「再現度は200%です。特に、朝起きてすぐに床にはいつくばって夢日記を書くところとか、パーフェクトでした」と絶賛。

きつこの弟で、きつこがサウナにハマるきっかけを作ったやっちゃん役の須賀は、独特の衣装設定に戸惑ったという。「やっちゃんは薄い半袖ニットにチノパン、そして“裸足”なんです。監督もこだわっていて『基本、裸足でいかせてください』って言うんですね。それ自体は全然いいんですけど、初日一発目のタイトルバックの撮影が、表参道を裸足で歩くっていうことになりかけまして。ただ、さすがに何かしらは履くだろってことになり、結局はビーサンに落ち着きました。あやうく表参道を裸足で歩くことになるところでした」というエピソードで場を盛り上げた。

やっちゃんの妻・美衣子を演じる岩井は、「美衣子は、きつこさんとやっちゃんの会話のやりとりを見ているというシーンが多いんです。壁の向こう側、窓の外、階段の上、いろんなところからきつこさんを見ているシーンをたくさん撮ってるんですけど、“見る”って難しいなって思いました。どんなふうに見るのが一番いい見方なのかっていうのに悩みましたね」とシンプルな演技だけにその苦労も多かった様子。また、撮影所のお手洗いに閉じ込められたエピソードを語り、「開けられないまま5分くらいお手洗いの中にいたんですけど、これくらいで騒ぎ立てちゃいけないと思って。静かにガチャガチャやってました」と役柄同様のほんわかした雰囲気をみせた。

きつこの漫画のアシスタント・沼崎を演じる樋口は、以前はサウナに苦手意識を持っていたと述べ、「でも、サウナに行くようになってからは『サウナ行ってみなよ』って言ってくる人の気持ちがすごい分かりました。このドラマのお話をいただく前からリフレッシュ法としてハマってました」とプライベートでもサウナに通っていることを明かした。「このドラマは独特な世界観の中にくすっと笑える場面があったり、いとおしさを感じたり、浮遊感に似た感覚を覚えるというか。サウナで整った時の感覚に近い不思議な気持ちになったりもするので、見てくださる皆さんもそれぞれの整い方で楽しんでもらいたいなって思います」とアピールした。

本作はサウナがメイン舞台となる作品ということで、その撮影も通常とは少し様子が異なるよう。ともさかは「サウナ室の電源は落として撮影してるんですけど、それにしてもやっぱり熱いんですよ。女湯のサウナって割とコンパクトサイズなので、その密室内に役者、カメラマンさん、音声さん、照明さんがギューギューに入っていると、ちょっとずつ空気が淀んできて口数も少なくなっていくわけです(笑)」と明かし、さらに「水風呂に2時間入り続けたり、サウナ室に3時間入ったり、なんか耐久レースみたいな感じ(笑)」と本作ならではの過酷な撮影の様子を伝えた。

一方の須賀は全くサウナに入るシーンがなく、ずっと家での撮影が続いているといい、「スタッフさんに結構よく言われるんですよ。『お前、サウナの撮影してないから楽だろ?』って」とやや不満げ。すると、ともさかは「おうちのシーンもエアコンとかを消して撮影しなきゃいけないので、やっぱり暑いんですよね、この時期。だから須賀くんは暑い暑いっておっしゃるんだけど、『サウナはこんなもんじゃないよ』って私たちがいつも言ってるんです(笑)」と須賀をイジり、撮影現場での和気あいあいとした様子をうかがわせた。

会見の最後にともさかは、「登場人物はそれぞれが個性的な愛すべきキャラクターたちで、ちょっとだけ生き方が下手な人たちが集まっています。原作ファンの方はもちろんですし、サウナに全然興味ないっていう方々にも、女性サウナの中ではこんなやりとりがあるんだとか、こんなコミュニケーションを取ってるんだって、ちょっとだけサウナをのぞいてみたくなるような、そんなドラマになっています。ぜひご覧いただけたらうれしいです」とメッセージを送って締めくくった。

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