ブラジル代表の新“暫定”監督に脚光…アンチェロッティと同じ理念&人望抜群、ネイマールは過去に「セレソンに彼がほしい」

[写真:Getty Images]

スペイン『Relevo』がブラジル代表の新たな暫定監督にスポットライトを当てた。

ブラジルサッカー連盟(CBF)のエドナルド・ロドリゲス会長は4日、レアル・マドリーを率いるカルロ・アンチェロッティ監督(64)が2024年6月のコパ・アメリカ(南米選手権)から指揮を執ると明言。1年後の就任が確実となった。

また、それまでのつなぎ役として、カンピオナート・ブラジレイロ・セリエAのフルミネンセを率いるフェルナンド・ディニス監督(49)が1年間限定で指揮を執ることも発表。ディニス監督はフルミネンセとの兼任という形になる。

そのディニス監督とは、一体どんな人物なのか。これまでのキャリアを振り返ると、現役時代はコリンチャンスやフルミネンセ、フラメンゴ、クルゼイロ、サントスといった国内の名だたる名門でプレーするも、A代表歴はない。

選手キャリア晩年から引退後数年にかけては精神的に不安定な時期を送っていたといい、指導者に転身する際、コーチングと同時に心理学を学び始めたとのこと。監督としては2019年以降、サンパウロ、サントス、フルミネンセ(現在は2度目の就任)などの指揮を歴任する。

そして、気になるのはその指導方針。『Relevo』の取材に応じたある関係者はディニス監督について、「選手どうしの良好な人間関係がピッチにもたらす相互作用を重視する。アンチェロッティと非常に似ている」とコメント。選手のカラーを大事にしているようだ。

若手からベテラン、さらにスター選手の扱いも得意なようで、サンパウロで共闘したFWアレシャンドレ・パトは「ディニス監督が僕の人間としての部分を成長させてくれた。僕が涙を流せば彼も一緒に泣いてくれたし、彼の言葉で涙したこともある」などとコメント。絶大な信頼を寄せていたことがよくわかる。

また、ブラジル代表のエース・ネイマールは昨年7月、「ディニスが好きだ。セレソンに彼がいれば…」とSNSに投稿し、ブラジル国内が大論争に。どうやらCBFはアンチェロッティ監督と通づる部分、そして人望の厚さを重視し、ディニス監督を選んだようだ。

ディニス監督のミッションは今年9月、10月、11月に行われる北中米3カ国共催ワールドカップ(W杯)南米予選の6試合と、来年3月のスペイン代表戦を含むヨーロッパ遠征2試合。アンチェロッティ監督到着前にチームの基礎を築いておきたいところだ。

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