蘭越町蒸気噴出 現場周辺で高い濃度のヒ素を検出

後志の蘭越町で地熱発電の調査で掘削をしていたところ蒸気が噴出し、現場周辺でヒ素が検出されるなど影響が広がっています。地熱発電の調査を行う三井石油開発によりますと、掘削作業は先月25日から行っていて、蒸気の噴出は29日午前から始まりました。その際、配送のため現場付近にいた女性が硫化水素中毒で一時入院し、別にもう一人が体調不良を訴えています。町民「噴いてしまったものは仕方ないけれども、そのあとの対応が遅れたのかなと思いますね。今後こういった事故がないようにということと、あった場合は適切な処置をお願いしたい」。また、噴出物が近くの河川に流れ込んで白濁したため、町土地改良区は一時、最大70戸の農家に対し、農業用水の取水をしないよう呼び掛け、現在も8戸ほどに取水制限が続いています。地元の農家「早く収束させていつも通りの農作業ができるよう期待しています」。さらに、同社はきのう調査敷地内の水質検査の結果、1リットル当たり15.9ミリグラムのヒ素が検出されたと発表しました。これは飲料水の基準の1590倍、農業用水の基準の318倍で非常に高い濃度となっています。水の大半は掘削地域外の大湯沼方面に放出していて、町はきょう、三井石油開発に「環境汚染に直結する」として抗議しました。同社は対応方法を検討しています。

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