「最後の景色と、あの悔しさを忘れない」 畑岡奈紗の誓いと決意

この悔しさを忘れない。畑岡奈紗は同組のアリセン・コープスに逆転を許した(撮影/高藪望)

◇海外女子メジャー◇全米女子オープン 最終日(9日)◇ペブルビーチGL (カリフォルニア州)◇6509yd(パー72)

メジャーで単独首位に立って初めて迎える最終日。畑岡奈紗はいつも通りぐっすり眠って朝を迎えた。コース入り前に部屋でも転がしたパッティングの状態、ドライビングレンジでのショットも悪くない。首位に立つ緊張もありながら、「きのうあれだけいいゴルフをしていた。きょうも守る気持ちは全くなく、同じように攻めていこうと」。シチュエーションにのまれる雰囲気はなかったという。

1打のリードを守れなかった(撮影/高藪望)

最終日最終組を2サムで一緒に回ったアリセン・コープスはツアー2年目、未勝利の25歳。ともにピンチだった後半12番(パー3)では先に5mを決めてパーを拾うなど、クラッチパットを連発して重圧をかけてきた。

「そこまで(相手のことは)考えていなかった」と自らのプレーに集中していたが、出だし1番のバーディで並ばれて以降、展開をリードすることができなかった。「12番もすごくいいパーセーブをしていたし、ああいった積み重ねが14、15番の2連続バーディにつながっていると思う。すごく“堅い”いいプレーをしていたと思います」と勝者をたたえた。

ベストスコア「66」の3日目から一転して「76」(撮影/高藪望)

メジャー27試合目で8度目のトップ10入りは、何度も優勝争いに絡んできたことを物語る数字だ。「近くまで来ている感覚はあるんですけど、コース上でホントに最後、(あと)ひとつやり切れていないのが自分の甘いところ」。課題を挙げ、この敗戦を悲願達成の原動力にすることを誓う。

「最後、アリセンがパーパットを決めた景色を忘れずに、その悔しさを忘れずに、これからも努力していきたい」。これまで誰よりも強かったはずのメジャータイトルへの思いが、さらに燃え上がった。(カリフォルニア州ペブルビーチ/亀山泰宏)

目の前でビッグタイトルをさらわれた(撮影/高藪望)

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