【データで見える最強選手⑤】ボール球も捉えるバットコントロールで夢の4割へ

現代のベースボールを語るうえで欠かせないのがデータ。膨大なデータを使えば、あらゆる事実が見えてくる。今回は、夢の4割に向けて快進撃を続けているマーリンズ、ルイス・アライズのバットコントロールに迫る。

MLBも折り返し地点を迎え、1941年にレッドソックスのテッド・ウィリアムス(.406)が記録して以来の4割を目指すマーリンズのルイス・アライズは打率.383で前半戦を終えた。

昨季ツインズで打率.316をマークし、初のタイトルを獲得すると、マーリンズに移籍した今季も好調な打撃をキープ。日本時間6月25日時点では4割を超えていたその打撃で注目されているのが、ボール球でも巧みに捉えるバットコントロールだ。

6月は打率.406、1ヶ月に3度の1試合5安打をマーク。いかにもボール球と見られるボールも巧みなバットコントロールで捉えている。それを証明するデータが、「OUT OF ZONE Contact %」だ。ボール球を捉える確率を示した指数(7月9日時点)だが、ここでもアライズは異次元の数値を出している。

OUT OF ZONE Contact %
1位 ルイス・アライズ(MIA) 88.3
2位 マイルズ・ストロー(CLE) 77.4
3位 ブライソン・ストット(PHI) 77.4
4位 ニコ・ホーナー(CHC) 76.1
5位 吉田正尚(BOS) 75.3

アライズはボール球を196回スイングし、ミスはわずかに22回。多少のボール球なら、確実に捉え、ヒットゾーンに運んでいる。ここで気になるのが、5位にランクインしたレッドソックスの吉田正尚だ。

日本では首位打者2回、最高出塁率2回を記録したクラッチヒッターが、メジャー1年目ですでに実力を発揮している。しかも、このトップ5を見ると、アラエズ以外に現在の打率が3割を超えているのはストット(.301)と吉田(.316)のみ。ア・リーグ3位の打率を残している吉田だが、その上をいく2選手はトップ30にも入っていない。

アラエズの4割とア・ナ両リーグでの2年連続首位打者、そして、吉田のメジャー1年目での首位打者。後半戦は記録とタイトルに向けて再スタートする2人のクラッチヒッターのバッティングにも注目したい。

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